あなたも挑戦!「カビ対策知識テスト」
では、リンナイが公開したテストに挑戦して、あなたのカビ対策知識力を判定してみよう。次の文で正しいと思うものは〇、間違っていると思うものは×と答えよう。
2. 浴室のカビ対策として入浴後に水をすべてふき取るほうがよい
3. 浴室のカビ掃除は天井が最も重要である
4. エアコンのカビ対策としてはフィルターを定期的に掃除すれば十分
5. カビは氷点下では生きられないため、冷凍庫では発生しない
6. カビは水分を好むがダニは水分を好まないためカビとダニは同時には発生しない
正解は、「1.×、2.〇、3.○、4.×、5.○、6.×」だ。実際のテストはこの倍の12問あり、9問以上正解が「カビ対策優等生」、5~8問正解が「合格点」になっている。筆者は合格点だったが、自信をもって回答できた設問は少なかった。意外に難しいという印象だ。
カビの悩みは「掃除」。でも、カビ対策のカギも「掃除」
リンナイの調査によると、「カビに悩まされている」という人は77.5%(「とても悩まされている)13.2%、「やや悩まされている」64.3%)もいた。カビが気になる季節は、「夏(梅雨)」に集中していて、69.6%を占めた。
カビに関する悩みは、「掃除をするのが大変」(80.8%)、「水回りが汚くなる」(60.9%)、「嫌なにおいがする」(43.7%)が上位に。カビは掃除してもなかなか取り切れず、油断するとすぐ発生するので、ストレスが溜まることだろう。
テストの監修をした矢口先生によると、「カビは、湿度(60%以上)、気温(20~30℃が最適)、栄養分(食べカス・人のアカなど)の3つの条件がそろうと発生しやすくなる」という。湿度と気温の条件がそろう梅雨時期に繁殖しやすいカビ対策は、栄養分を取り除くことが重要なので「一層掃除に力を入れ、カビが目についたらすぐにカビ取り剤を使用して、取り除いたほうがよい」と助言している。
また、梅雨入り前の比較的乾燥している時期に、「浴室などの水まわりをきちんと掃除しておくと、梅雨時のカビが発生しにくい」ということなので、乾燥した日に水まわりの掃除を頑張ってみてはいかがだろう。
浴室掃除はどうやる?
カビに悩む場所を聞くと、ダントツで「浴室内」(84.4%)で、4位の「キッチン」(23.7%)、5位の「洗面所」(22.5%)、6位の「トイレ」(17.8%)と水まわりがやはり上位に挙がる。
カビに悩む場所(出典:リンナイ「『カビ』に関する意識調査」のリリースより転載)
浴室の掃除は、「水を取り除く」のが原則。入浴後に水をふき取る一方、換気扇を長くかけて乾燥させることもポイント。また、いくら床や浴槽を掃除しても、掃除しない天井からカビの胞子が降ってくることでカビは発生するというので、「浴室の天井の掃除」も重要だという。
また、せっけんカスはカビの栄養源になるので、せっけんカスを取り除き、黒カビやピンクの汚れ(ロドトルラというカビ)はカビ取り剤で取り除くようにしよう。矢口先生によると、水回りのゴムパッキンのピンクの汚れをカビと認識しない人が多いが、固いブラシなどでこするとかえってパッキンを傷つけてしまい、その傷にカビが侵入しやすくなるので、カビ取り剤を使うようにということだ。
しまった! 筆者はピンクの汚れをブラシでゴシゴシ取っていた。これからは気をつけるようにしよう。
次に、悩み場所として2番手に上がった「エアコン」(42.6%)だが、フィルターにホコリが溜まらないようにこまめに(矢口先生の推奨は2週間に1度程度)掃除することはもちろんのこと。加えて、エアコンを冷房で使用すると、内部は湿気でカビが生えやすくなるので、送風機能を使って乾燥させる必要がある。冷房の後には送風と、習慣化しておきたい。
浴室の換気扇も活用を
では、カビ予防として具体的にどんなことを行っているのだろうか? 調査結果では、「こまめに掃除する」(43.5%)を抑えて、「換気をする」(77.0%)、「部屋の通気性をよくする」(54.7%)と換気や通気が上位になった。
浴室の換気扇について聞くと、「入浴後の数時間だけ使う」が半数の49.3%だった。24時間換気で「つねにつけっぱなしにする」が28.9%いる一方、「浴室の換気扇は使わない」も15.6%いる。どのように使うのがよいのだろう?
矢口先生によると、24時間換気機能の付いている換気扇なら、「入浴後は強力に換気し、その後はつねにつけっぱなしにしておくのがいい」という。排水溝に水が溜まっていたり、外部から湿気が入り込むことがあるからだそうだ。
筆者の家の浴室暖房乾燥機には24時間換気機能は付いていないが、浴室の換気だけでなく、花粉時や梅雨時に衣類の乾燥としても使っている。衣類乾燥を使うと、高温と湿気でカビが増えるのではないかと心配していたが、衣類乾燥機能は浴室内の気温が45℃程度になるので、カビは発生しにくいのだという。
空気の流れを起こすことで湿度を下げることになる
また、「風通しのいい場所はカビが生えにくい」というので、通風は効果があるようだ。湿気のこもりやすい場所は、換気扇や扇風機を活用して空気の流れを起こすことで換気を行い、エアコンや除湿器で湿度を下げるのが効果的だという。
さて、換気については、ダイキン工業が「⇩上手な換気の方法⇩」を公開している。エアコンを使うと除湿はできるが、室内の空気を冷たくして部屋に戻すので、室内の空気を入れ替えることはできない。新型コロナウイルスの感染予防策として室内の換気が重要視されているので、24時間換気機能を使ったり、窓を開けて空気の通り道をつくる必要がある。
梅雨時は外の湿気が多いから窓を開けない、エアコンをかけているから窓を開けないといったことは、感染予防としては望ましくない。コロナ下の今は、定期的に窓を開けて風を通すようにしよう
上手な換気の方法
1.換気の基礎知識
換気とは?
部屋の中の空気と、外の空気を入れ換えることで、部屋の空気中にある汚染物資(人間に対して悪い物)を、部屋の中から外へ出したり、薄めたりすることです。
汚染物質とは?
汚染物質(人間に対して悪い物)は、⼆酸化炭素(CO2)、⼀酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、ハウスダスト、花粉、細菌、ウイルスなどがあります。
換気をすることで、これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりすることが期待できます。
なぜ換気しないといけないの?
①汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするため
閉めきった部屋は、空気が部屋の外に出にくいため、汚染物質がずっと部屋の中に存在したり、増えたりしたままの状態になってしまいます。そして、その空気が、人間に対して悪い影響を与えるからです。
これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするためには換気がとても大切です。
②なにもしないと汚れた空気が部屋にたまってしまうため
みなさんの住んでいる、家やマンションなどの住宅の多くは、「気密性」が高くて、汚れた空気が部屋の外に出にくいのです。このような住宅では、なにもしないと十分な換気ができず、汚れた空気が部屋の中にどんどんたまっていきます。
エアコンで換気はできないの?
エアコンから出ている空気は、家の外から取り入れたものだと思って、エアコンを運転すれば換気ができると誤解していませんか?
エアコンは、「部屋の中の空気を吸い込んで」、その空気を冷たくしたり温かくしたりした後に「部屋の中に戻す」ことで、快適な環境をつくるものです。部屋の中の空気と外の空気を入れ換えてはいません。
そのため、ほとんどのエアコンでは換気ができません。
エアコン以外のやり方で、換気をする必要があります。
エアコンの仕組み
家の換気、結局どうしたらいいの?
①今すでにある24時間換気システムをきちんと「正しく」使いましょう
あなたの住んでいる家やマンションが2003年7月より後の建物であれば、もともと換気をする仕組み(換気口・24時間換気システム)がついています。しかし、正しく使われていないことが本当に多いのです。
部屋の壁や天井には「換気口」がついています。生活をしていて、お風呂やトイレ、洗面所などの換気扇を使うと、換気口から部屋の中の汚れた空気が建物の外に出され(排気)、同時に建物の外から新しい空気を取り込む(給気)よう設計されています。家やマンションの換気ではこの換気システムが最も一般的で、2時間で室内の空気をまるまる一回入れ替えることができます。まずは今すでにある24時間換気システムをきちんと「正しく」使うことが基本です。
24時間換気システムの例
しかし外から空気が入ってきて寒い(または暑い)という理由で換気口を閉じたり、24時間換気システムのスイッチをオフにしたりしてしまうと、せっかくの換気システムが役割を果たすことができず、知らず知らずのうちに室内の空気に汚れがたまってしまいます。換気口は開けた状態で、24時間換気システムはいつもオンにして「正しく」使用するようにしてください。
②窓を開けて空気の通り道を作りましょう
窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に5~10分程度と言われています。
ただし、窓や部屋の大きさや、室内に浮遊している汚染物質の種類によって外に出るスピードは異なるため、どの程度の換気であれば確実に感染症リスクが抑えられるのか、換気の効果について一概にはいえません。
また、1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は高くなります。
できるだけ、回数を多く換気をすると効果的です。
窓開け換気時に花粉が気になる場合は、窓の近くに空気清浄機を置くことで花粉の侵入をある程度抑制することができます。またレースのカーテンも花粉対策に有効といわれています。
空気の通り道を作る窓の開け方
近い2つの窓をあけた場合、部屋全体の空気が流れないため、対角線よりも換気の効率は悪くなるので注意してください。
悪い例:近くの窓を開けると狭い範囲で空気が循環して非効率的
窓を開けても風が入りにくい場合
窓から風が入りにくい場合は、風や空気は、小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から(小さな力で)出ていきやすいという性質があるため、外から空気が少しでも入ってくる側の窓は小さく開けて、外に空気が出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができます。
風が入りにくい場合は窓の開け方を工夫(小さく入れて、大きく出す)
開ける窓が1つしかない場合
窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置すると効果的です。
扇風機を窓の方へ向け、部屋の外に空気を流すのが上手な使い方です。扇風機を部屋の方へむけて、窓の外の空気を部屋に入れるやり方では、外の空気は部屋に入ってきますが、汚れた部屋の中の空気が外に出ずに部屋の中にとどまることがあるからです。
窓が1つしかない場合は窓のそばに扇風機を置いて風の流れを作る
窓がない部屋の場合
窓がない部屋の場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを置いて部屋の外に空気が流れるようにしましょう。浴室や洗面室、トイレなどに設置されている換気扇を運転すると、他の部屋から流れてきた空気も効率的に家の外に出すことができます。
③台所の換気扇を活用しましょう
住宅の換気扇の中でも排気量が特に大きい台所の換気扇を運転することで効果的に換気することができます。その場合は、台所に近い窓を開けると部屋全体の空気が換気されにくいので、台所からできるだけ離れた窓を開けるようにしましょう。窓を2つ開けている場合でも、台所の換気扇を運転することで、換気をアシストすることができるので、窓開けと換気扇の併用はおすすめです。
家の換気方法 まとめ
お住まいの環境に応じて、今まで説明した、①今すでにある24時間換気システムをきちんと使うこと、②窓を開けて空気の通り道を作ること、③台所の換気扇を活用することをうまく組合せて、換気を効率的に行いましょう。
家全体を換気したい時
バルコニーに接する窓と玄関側のどちらかの窓を開け、途中の扉を開けるとよいでしょう。
リビングのみ換気したい場合(玄関側の窓を開けられない場合)
バルコニーに面する窓を、左右で2か所開けましょう。
※バルコニーの窓で換気する場合、1か所を開けても風の出入りが起こらないので、両端を開けて風が流れるようにします。
バルコニーに面する窓を左右2か所(両端)開ける
それでも風が流れない場合は、台所の換気扇(レンジフード)を運転する。ベランダ窓はレンジフードから離れた窓を一部開ける。
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