パワポのシンプルな図形を使うだけでOK
図解と聞くと「センスがないとできないのでは?」とおっしゃる方がいます。
たしかに街を歩けば良い標識や、看板がすぐに目に入りますし、スマホやパソコンなどを見ると、スタイリッシュなホームページやバナー広告が出たりしていて、デザイン性の高さに驚かされることが多いです。ですから「図解=センス」と考えてしまうのもうなずけます。しかし、私が提案するメソッドはパワーポイントの基本図形を使ってできるものです。
なぜ基本図形を使うのかというと、「誰でも実践ができなくてはならないから」です。
社内や社外で意思疎通を図る際に専門的な技術がないとできないメソッドだと、図解をするまでに時間がかかってしまい、生産性を下げてしまいます。
また、「相手が見やすい」ことも重要です。
多くの図形を使って表現すると、目線をどこにもっていけば良いのかわからなくなるということと、統一感のない表現になる可能性も高く、相手を混乱させてしまいます。
下記の図を見てください。
通勤するところから退社するまでの流れをシンプルに表したものですが、それぞれのステータスの表現が違っているだけで、資料を見る側からは判読しづらいものと映ってしまいます。
これをわかりやすくするには、基本的に図解で使用する図形を統一し、よく使うものを決めておくと良いでしょう。私の場合は下図のように四角と丸、矢印、線となります。
図解資料をつくると、相互理解が短い時間で築ける
いちばん大切なのは相手にすぐに伝わる資料をつくることです。
そのためには、ムリ・ムダ・ムラをなくすことが肝要です。
具体的に表しますと、下記のようになります。
ムリがない:話が脱線せず、言いたいことが明確である
ムダがない:相手から見て理解に必要な情報のみ書かれている
ムラがない:図の表現(形状や色合い、線の種類など)と意味が統一されている
たとえば下記の文章は仕事上の関係を文章にしてみたものです。
・BはAに〇〇し、CはAに△△する。そのとき、AはDへ□□するので、D はC に××する必要がある。結果、C はA に△△する。最後に、A はE へ◇◇する。
このままでは、理解をするまで時間がかかるので、下記のような図解資料をムリ・ムダ・ムラのない形でつくってみました。
こうすることで、文章による表現ではなかなか伝わりづらかった仕事の関係もシンプルに整理することができました。わかりやすい見え方にするため人の形のピクトグラムを使いましたが、四角を使って表現しても良いです。
まず「ムリがない」という観点ですが、図版のタイトルに「関係性を図解」と記載することで、他に伝える情報は何もなく、関係性のみを伝えることを明確にしております。
次に「ムダがない」という観点ですが、仕事の関係のみをピクトグラムと矢印を使って表現しました。必要最小限の図解で表しています。
最後に「ムラがない」という観点ですが、名前はアルファベットで明記し、それぞれのピクトグラムの図形を統一させることで、仕事の関係性をすっきりと表しました。
また、四角を使って表現した図は下記になります。
もし会社で「ちょっとわかりづらいなぁ」とか「もっとシンプルにできない?」とか言われたりしたらいったん図解資料に落とし込むことを考えてみるといいでしょう。
パワポはプレゼンをスムーズにさせるための機能・スライドマスターをはじめとする便利な機能が豊富に入っているため、「図解で使う」ということに疑問を感じる方も多いですが、パワポにはプレゼンのための図解機能がたくさん備わっています。
図形を使った表現がしやすい機能が多い
例えば図形の位置合わせ。また、図形内の文言も書き込みしやすく、他のソフトに比べると図形を使った表現がしやすい機能が多いのです。
ワードやエクセルにも図解ができる機能はありますが、やはりパワポで作図するのに比べると時間がかかりますし、使い勝手も悪いのです。
ただ、ワードやエクセルで資料を提出する決まりのある会社・部署もあるでしょうし、実際報告書などはワードやエクセルで確認をするとわかりやすいのも事実です。
そういった場合には、パワポで作図したものをワードやエクセルに張り付けてわかりやすくすることをお勧めしています。
ワードは「文書作成」に秀でたソフトで、エクセルは「表計算やグラフ化」が得意なソフトです。それらのソフトにパワポでつくった図解資料を足すことで、お互いの特徴を補完できるため、さらに資料の完成度が上がるはずです。
私自身、話下手で、どうしても伝わらないとき、伝えづらいと考えられる物事があるとき、図解した資料を見せていました。
パワポだけでなく、メモ書きでも構いません。ムリ・ムダ・ムラを意識して作成すれば、デジタルでも紙でも威力を発揮します。そして、人に伝えたいことが伝わったとき必ず、心が温かくなったり、すっきりしたりします。
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