銘柄を探すための情報源は3つ
株式投資は、銘柄探しから始まります。東京証券取引所に上場している株式会社は約3700社もあるので、まともに探していたら時間がいくらあっても足りません。成長株は話題になることが多いので、SNSや経済ニュース、株情報サイト、雑誌、新聞など使いやすい情報源をチェックし、気になる銘柄をピックアップしましょう。
僕が主に活用している情報源は、以下の通りです。
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●株探の「銘柄探検」
「株探」は、僕が最も頻繁に活用している株式投資情報サイトです。銘柄探しには、このサイトの「銘柄探検」というコンテンツが役立ちます。ここでは業績面(ファンダメンタルズ)とチャート面(テクニカル)から注目銘柄を紹介しています。
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●株探の「決算速報」
株探のトップページから、「決算速報」のタブをクリックすると、その日に発表された決算のヘッドラインが見られます。決算発表の集中期(2月、5月、8月、11月の上旬とその前後)は非常に数が多くて監視するのは大変ですが、ざっと目を通して「最高益」とか「上方修正」といったキーワードがあればクリックして中身をチェックします。
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●ツイッター
個人投資家がどんな銘柄に興味を持っているか、生の声を見られるツイッターも大切な情報源です。僕は成長株投資をしていそうな投資家のほか、相場情報を発信している市場関係者を中心にフォローしています。僕がどんな投資家を見ているか興味のある人は、僕のツイッターアカウント(@kabunokaidoki)から覗いてみてください。
気になる銘柄が見つかったら、業績を確認しましょう。株探のトップページから会社名や証券コード(上場する企業に割り振られる4桁の数字)を入力して、企業情報ページを表示します。企業情報のトップには、基本情報が表示されています。ここで「決算」というタブをクリックします。
投資候補銘柄リストに加える条件は2つ
決算情報ページを少し下にスクロールすると、「通期」と「3カ月決算【実績】」という欄があるので、「業績推移」のタブをクリックします。「通期」では1年ごと、「3カ月決算【実績】」では3カ月に一度発表される四半期ごとの決算情報が過去8回分掲載されているので、「売上高」と「修正1株益」をチェックします。
売上高は最低でも10%以上の増加、いわゆる「2桁増収」が続いているのが投資候補銘柄入りの条件です。「成長性」のタブをクリックすると、売上の伸び率である増収率を一覧できるので便利です。できれば25%以上の伸びが続いているのが理想です。
修正1株益は、EPS のことです。こちらも増加基調にあるかどうかをチェックしてください。これは方向感が重要なので、伸び率が大きければ大きいほど良いですが、増えていればOKです。まとめると、
(いずれも右肩上がりでなくても、前年同期比で伸びていればOK)
この条件を満たした銘柄は、投資候補銘柄リストに加えて次のステップに進みます。
次はチャートでトレンドをチェックします。チャート自体は株探でも確認できますが、最も重要なテクニカル指標である移動平均線の期間が変えられないので、ここではトレーディングビューというサイトを使います。
もちろん、移動平均線の期間を変えられるチャートであれば、証券会社のサイトやツールのチャートなど、なんでもかまいません。気になる銘柄の日足チャートを表示し、移動平均線を表示させます。
移動平均線は英語でSimple Moving Average と表記し、SMAと略されることがあるので、トレーディングビューのサイトでは、「インジケーター&ストラテジー」の項目から「SMA」と検索すると出てきます。
200日移動平均線が上向いているか
移動平均線の期間を、200 日に設定します。トレーディングビューの場合、いったんSMAを表示させてから、左上のMAの設定欄からパラメーターを選択し、期間を200にすることで変更できます。
ここで見る点はひとつだけ、表示させた200日移動平均線が上を向いているかです。上を向いていれば、投資候補銘柄のリスト入り決定です。
もし下向きだったら、その銘柄への投資は現時点では見送りです。トレンドが変われば、いずれ上を向いてくるので、監視銘柄リストには入れておきましょう。上向きになる前に投資して成功すれば利益を大きくできますが、僕の投資は勝率を重視するのでこうしたリスクは取らず、すでに上昇トレンドに乗っている銘柄にしか投資しません。
本格的な企業分析には、財務三表といわれる「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャッシュフロー計算書」という3つの書類を見ることが必要といわれますが、成長株投資であればこれら全部をマスターする必要はありません。
ただ、企業が四半期に一度発表する「決算短信」には、これらのエッセンスが詰まっているので、まずは決算短信の1ページ目だけでも見られるようにすると見える景色が変わります。
業績計画の進捗と成果を確認
上場企業は3カ月(四半期)ごとに決算を発表する決まりになっています。詳細なレポートは四半期報告書(その期の最後は有価証券報告書)で行われますが、まずは速報的に発表されるのが決算短信です。会社が1年の最初(期初)に立てた業績計画の進捗とその成果を確認できます。会社にとっての「1年」の始まりをどこにするかは、企業が自由に決められます。
日本の上場企業は約7割が3月末で1年を締める「3月決算」といわれ、その場合、決算期は学校などと同じ4月から翌年の3月です。3月決算企業の場合、決算期の始まりの4~6月が第1四半期、7~9月を第2四半期、10~12月が第3四半期、1~3月が第4四半期になります。
四半期を英語でクォーターというため、簡素化して1Q、2Q などともいわれます。3月以外では、12月決算や9月決算の企業が比較的多く、数は少ないものの、それ以外の決算月の企業もあります。
決算短信は各四半期末の45日以内に出す決まりになっているので、決算発表は集中する傾向があります。各企業の決算発表日は近くなると発表され、企業のウェブサイトのIRページや日本取引所グループの適時開示情報閲覧サービス(TDnet)、日本経済新聞社、ネット証券のウェブサイトなどで確認できます。
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