貸借対照表をよく理解してない人もわかるコツ

経営者、投資家はもちろん、一般のビジネスパーソンも常識として最低限は押さえておきたい決算書の読み方。しかし予備知識なしには理解するのが難しく、挫折してしまった人も多いでしょう。そんなあなたの心強い味方になるのが、『はじめてでもスラスラわかる3色ペンで読む決算書』。青(資産)、赤(負債)、緑(純資産)の色分けで、視覚的に、瞬間的に理解できる画期的なメソッドです。3色ペンを手に、ぜひためし読みしてみてください!

そもそも「バランスシート」って?

まずは、財務3表の1つであるBS(バランスシート、貸借対照表)について、ごく簡単な解説をします。

次の図にある、A、B、Cを合わせてBSと呼びます

(図表:幻冬舎Plus)

BSは会社が決めたある一定時点での、会社の資産・負債・純資産の状態を表すものです。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

本書では覚えやすいように青枠はAsset(資産)のA、赤枠はBorrow(借りる)のB、緑枠はNet Capital(純資産)のCとしました。以下本書ではA、B、Cと呼んでいきます。BSはABCで説明できます。

このA、B、Cはわかりやすいように設定した本書のオリジナルなので、一般的に使われている用語ではありません。会社の上司に「あの会社、最近Bが増加しているみたいなので、注意が必要です!」なんて報告しても通じないので気をつけて下さいね。ABCはわれわれだけの秘密です。

ルール① A=B+C
(図表:幻冬舎Plus)

BSには4つのルールがあります。

ルールはシンプルで、「A=B+C」である、ということです。

Aが100ならB+Cも100となります。

Aが100、Bが50、Cが50でもいいです。

 

Aが100、Bが20、Cが80でも構いません。

永遠のルールは、左側のAと、右側のB+Cは常に一致するということです。

この「A(資産)=B(負債)+C(純資産)」のバランスが保たれていることから「バランスシート」と呼ばれています。

ルール②  A(資産)はお金の使い道
(図表:幻冬舎Plus)

2つ目のルールとして、基本的にA(資産)は右側のB(負債)やC(純資産)から入ってきたお金が資産に変わる場所で、会社が買ったものや残金が表示されています。つまりA(資産)は「お金の使い道」を表しています

『はじめてでもスラスラわかる 3色ペンで読む決算書』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイト(電子版の販売ページ)にジャンプします。紙版はこちら

バーゲンに行った後に、買った服を家族に披露するシーンを思い浮かべてみて下さい。その日の予算を使って好きな服を買って、家族のみんなに「こんな服を買ったんだよ!」と並べて、お釣りまで見せてしまうのがAの「資産」です。

会社の決算書に「お金の使い道・H&Mのコート」などと書いてあれば親しみやすいのですが、実際の会社の決算書には、株などの「有価証券」「商品」「建物」「車」「土地」など、真面目なものが記載されています。

ただし、真面目な決算書の中にもちょっと変わった記載の例はあります。面白い例では牧場の「繁殖用の牛」、競馬ファンを熱狂させる「サラブレッド」、水族館の「魚」なども条件を満たせばAの資産に載せることができます。また、植物では果樹園の「りんごの木」や「ぶどうの木」も、Aの資産に載せることができるのです。

「バランスシート」とは何か?

(イラスト:宮野耕治)

日本語では貸借対照表、英語では Balance Sheet(バランスシート)と呼ばれています。本書では Balance Sheet の頭文字を取って、BS(ビーエス)と呼ぶことにします。

 

BSを学ぶと、会社の実態がつかめるようになります。会社にどれだけ資産があるのか、どれだけ借金があるのか、今までにどれだけ儲けたかなどが、具体的な数字でわかるようになるのです。