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大掃除で「書類と本の山」を徹底的に減らす方法

 

取扱説明書、書類、パンフレットの整理法

片づけにおいて、最大の難所が書類整理です。 書類がスッキリすれば、あなたのデスクも頭も開放感を得られるはず。自宅の書類整理だけでなく、会社のデスク整理にも役立つ整理法をご紹介します。

まず、手元にある書類を「現物で残す必要性があるか」という視点で、次の2つに分類しましょう。

①現物がなくてもOKな書類(取扱説明書やパンフレットなど)
②現物がないとNGな書類(契約書・証明書・役所への届け出書類など)

それでは、「①現物がなくてもOKな書類の片づけ方」から見ていきましょう。

あなたの自宅にも、現物がなくても支障のない書類が大量に潜んでいるはずです。ここでは、インターネットで得られる情報かどうかで大きく分けていきます。まず、インターネット上に同じ情報が載っている書類。これは迷わず処分しましょう。

現物があったほうがはかどるタスクというのは、細かい数字をPCに打ち込み作業するときくらいです。

「出前のチラシなどは、紙で保管したほうが必要なときにサッと開けて便利」という声も聞くのですが、いざ必要になったとき、チラシの山から目当てのものを取り出すより、グーグル検索で調べたほうが早いケースがほとんどです。

頻繁に使う情報であれば、PCやスマホのブラウザ上で、対象のページをブックマーク登録するのもオススメです。家電・家具の取り扱い説明書は、保証書のページを切り取って処分。クーポン付きのチラシであれば、クーポン部分だけを小さく切り取りファイルに移して、期限が過ぎたら処分しましょう。

インターネット上に同じ情報が載っていない「学校のお便り」や「企画書・提案書」などは、A4サイズ1~2枚のものであれば、家庭用スキャナでデータ化するか、写真に撮ってPCやスマホで管理しましょう。原紙は処分して大丈夫です。

セミナーのテキストや料理教室のレシピ、雑誌など、ページ数が多いものはスキャン代行サービスが便利です。例えば書籍スキャン代行サービスの「スキャンピー」では、段ボール箱で送るだけで1冊80円~書籍スキャンを依頼でき、書類やノートも(一部形式を除いて)スキャンしてくれるうえに、スキャン後の書類・書籍はそのまま処分してもらえます。

手紙や日記などはどうする?

手紙や日記帳など、思い出として残したいモノは、「書類」という分類から外し、ぬいぐるみや子どもがつくった工作と同じ場所に振り分けること。保管場所を分ければ、間違って捨てる心配もありません。

「自分が頑張ってきた証し」だとノートや書類をすべて残しておく方がいますが、現物で残すことの意味を改めて考えてみてください。手に取れば温もりや愛情が感じられ、頻繁に手に取って眺めたいものであればモノとして残せばいいですが、「捨ててしまうのが怖い」という恐怖感からの所有であれば、データに形を変えて部屋のスペースを空けたほうが健全です。

続いて「②現物がないとNGな書類」の片づけ方です。これは、捨てると支障が出るため、残すしかありません。

現物として残す書類は、大きく2つに分類しましょう。

・処理する予定がある書類(役所に提出する書類、入学志願書など)
・保管義務がある書類(登記事項証明書、契約書など)

明確な締め切りがある書類は「いつ処理するか」の期日ごとに、クリアファイルに入れます(A4サイズであればクリアケースも便利です)。書類の種類が混ざってもいいので、「いつやるか」を軸に分けると処理漏れを防げます。

処理日をラベルシールもしくは付箋に書いて貼っておき、スマホのリマインダー機能に設定しておきましょう。処理する書類が多くてリマインダーが増えすぎる方は、トレロなどのタスク管理ツールを使うのもオススメです。

処理しかけの書類を、忘れないように出しっ放しにする方も多く見かけますが、リマインド効果は意外と低いです。書類が目に入るたびに「あぁ、やらなきゃ……」と罪悪感が襲ってくるだけで、肝心のやるべきときにはすっかり見慣れて、存在を忘れたりします。これでは作業が捗りません。

思い出すべきときに思い出せばよいので、自分の視覚ではなく、スマホのアプリに頼りましょう。リマインドを受けるまでは、書類ケースの中で見えないように眠らせておいてOKです。

 

領収書やレシートなどの細かな紙は、ジッパー付きビニール袋に入れましょう。交通費精算や、家計簿を付けている方は、レシートをジッパー付きビニール袋にためておいて、時間があるときに一気に記録して処分すると、「レシートがつねに出しっ放し」の状態を防げて便利です。

では、保管義務がある書類はどうすればいいでしょうか。重要書類をはじめ数年後まで保管が必要な書類は、1冊のクリアフォルダ(表紙が厚めで頑丈なもの)に項目別に入れておきます。

マンションの賃貸契約書、住民票、資格証明書、年金手帳、各種保証書などは、使用頻度がとにかく低いものばかりなので、細かな分類はしません。保証書は保証期限ごとに1つのページに入れ、期限が切れたら、一気に捨てるようにしています。

「残すか、捨てるか」という2軸だと整理しづらい書類ですが、「データでもOKか、紙であるべきか?」「紙で残す必要があれば、いつ使うのか?」で考えると、量を減らしながら最適な場所で保管することができます。

本は捨てずに、ジャンルに分けて棚に整理する

難易度が高い片づけの代表が「本」です。本を捨てることに対して罪悪感を抱いたり、抵抗があるという人は多いものです。使用頻度という概念も合わないし、「本は1冊も捨てたくない!」と思っている方もいるでしょう。安心してください。本は1冊も捨てなくて大丈夫です!

まず、持っている本をすべて本棚から出し、1冊ずつ手に取ってグループ分けしていきましょう。私が片づけのアドバイスをする際、よく行う分類法を紹介します。まず、「読んだ本」「読んでいない本」の2つに大きく分けます。そのうえで「いつ読むの?」「なぜ大切なの?」の理由を自問しながら、8~10程度のグループに分けていきます(STEP 1)。

ここで注意したいのが、カテゴリーで分けないことです。多くのクライアントさんが、漫画、参考書、ガーデニングなどカテゴリーで本を分類していたのですが、カテゴリーは無視して、「自分にとってどのような存在か」という視点で本を分けていきましょう。

そのうえで、意味ごとに、どこに配置するのがベストかを検討します(STEP2)。

「Ⓐこれから読もうとしている本」「Ⓑ読みかけの本」「Ⓔ参考書として頻繁に手に取りたい本」は、本棚の手が届きやすい特等席に置くべきです(私はお風呂で読書をするので、Ⓐのこれから読もうとしている本を1~2冊、お風呂場のカゴに置いています)。

頻繁に出し入れする必要のない本は?

「Ⓖ文献として貴重なので保管しておきたい本」「Ⓘコレクションとして収集している本」は、頻繁に出し入れするものではないので、本棚に置く必要はなく、箱に詰めてクローゼットなどのバックヤードスペースに置きます。

『集中できないのは、部屋のせい。東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

「Ⓒいまは読む気がない本」「Ⓓ借りている本」が本棚の多くの面積を占めていると、精神衛生上よくないので、借りた本は早めに返す、読む気がない本は早めに人に譲るか売る、または図書館に寄付するのがよいでしょう。

そして、残った「Ⓕ気に入っていて、いつかもう一度読みたい本」「Ⓗ人に貸したい本」「Ⓙインテリアとして飾りたい本」で本棚の空きスペースを構成していきましょう。

クローゼットを衣替えするように、本棚も定期的に全部出してリフレッシュしてみてください。本棚を眺めて、うっとりするような本ばかりの状態をつくれると、毎日の読書がはかどりそうですよね。