デザインとは
「デザイン」は自己表現である「アート」と異なり、問題の解決を図ることが本質だとよく言われます。
ちなみに、近年では「問題解決型」のデザインから一歩進み、問題を提起するという未来志向の「スペキュラティブデザイン」や、モノの意味を再定義するという「意味のイノベーション」などのアプローチもあり、そういったもっと広い「デザイン」の概念を捉える説明として、こちらの定義の仕方が個人的にはしっくりきています。
「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」この一連のプロセスが我々の考えるデザインであり、その結果、実現化されたものを我々は「ひとつのデザイン解」と考えます。
出典:公益財団法人日本デザイン振興会
デザインの基本
一般的に制作物を作るときは、誰に、何を、なぜ伝えたいのか(行動を起こして欲しいのか)を考え、その目的を果たすために感覚ではなくロジックでわかりやすく伝えることを意識することが大切だとよく言われます。
ぱっと見かっこよく見えても目的に沿っていなければ意味がないし、逆にかっこよくなくても目的に沿っていればOKな場合もあります。
こちらは、伝わりやすいデザインを作るための基本ルールです。
・強弱:情報に優先順位をつける
・整列:レイアウトを揃える
・反復:同じ種類の要素はスタイルを揃えて繰り返しにする
・近接:関連する情報のまとまりを明確にする
それから、本当に伝えたいことを伝えるためには情報はなるべくシンプルに削ぎ落とした方が伝わる場合が多いです。
デザインの作り方
デザインツールを使うのは敷居が高いという方は、テンプレートを使って画像を作成できる無料サービスCanvaがおすすめです。
アカウント登録だけでブラウザ上で手軽に使えるので、さくっとお洒落なバナーを作りたい時などに便利。(こんな感じでテンプレートを選んでテキストを変えるだけで使えます↓)
テンプレートでなく自分で作りたい場合、デザインツール選びに迷ったら、まずは無料で使えるFigamやAdobe XDあたりがおすすめ。
今回はFigmaをご紹介します(私の周りのデザイナーほぼFigam派です)。
アプリを落さなくてもブラウザで使えること、チーム内での共有がしやすいツールであることから、最近はデザイナー以外もFigmaを触る機会が増えているのではないでしょうか。
Figmaの公式サイト内ではいろいろなテンプレートも用意されているので、これを見てツールの使い方をイメージすることもできるし、そのまま利用することもできます。
慣れない時は、chot.designのFigmaページの使い方の説明とかが優しくていいかもです。
また、スライド資料を作るのにもFigmaが使えるので、作る機会のある方はきっかけとしていいのでは。
デザインとは(アゲイン)
ここまで「デザインの作り方」についてお話ししてきましたが、デザインとはビジュアルを「作る」ことだけではありません。
デザイナーも、一言で括ってもWebデザイナー、UIデザイナー、グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、その他にもいろいろありますが、それぞれ仕事で行っていること、得意とすることも全然違います。
例えば、自社サービスに携わるデザイナーだと、ビジュアルを「作る」仕事は全体の半分にも満たないことも珍しくなかったりします。
私自身も自社のWebサービスを担当するデザイナーなので、次は少しサービスに携わるデザイナーのお話をしようと思います。
サービスのデザインのお話
私が仕事をする上で常に考えていることはサービスを「ユーザーにとってより良い」ものにすることで、そのために考えるべき対象は、目に見える物だけではなく体験設計も含まれます。
「ユーザーがこのサービスに求めているのはこういう事だから、ここを最も優先して改善していくべきだな」とか「サービス利用中にこんなことがあったらユーザーは不快な思いをするだろうな」といったことなど。
そして、その「ユーザーにとってより良い」の判断基準を作るのが、サービスを使って欲しいユーザーが誰なのかということや、そもそも何のための事業なのかという会社自体のミッションやビジョンだったりします。
(だからデザイナーは、そもそも誰のためのものなのか、何のためにそれをするのかなどがわからない状態で「いい感じのデザイン作って」と言われると、「良い」の判断基準がないので困ってしまうのですよね)
また、考えるのは必ずしもユーザーのことだけでなく、サービスに関わる全ての「人」、つまり、運用する側だったり、その他のステークホルダーが対象になることもあります。
そのため、運用の状況やチーム内で起きている問題など、サービスに関わる重要なことを全体的に把握できる環境、情報の透明性のある組織が、「サービスのデザイン」がしやすい組織だと思っています。(そういう意味のデザインは必ずしもデザイナー主体で進めるものでもないですが)
まとめ
デザインの考え方の浸透やデザインツールの進化などにより、いい意味でデザインの境界線が薄くなってきているのを感じます。
CAMPFIREでは、デザイナー以外もデザインツールを使ってデザイナーとやりとりをしていたり、デザインのしやすさを考慮した依頼をしてくれる方もいたり、全体的にデザインに理解のある組織なのではないかなと思っています。(いつもありがとうございます)
サービスを作る中で「デザイン」というものはとても重要で、デザイナー"だけ"に出来ることでもないし、デザイナー"だけ"が考えるべきことでもないですよね。
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