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発見遅れ? 救急隊到着時4人に1人が死亡、冬の入浴「ヒートショック」に注意

入浴時に血圧が大きく変動して体に不調をきたすヒートショック。枚方寝屋川消防組合が今年の出動状況を調べたところ、救急隊の到着時に4人に1人が亡くなっていることがわかった。大半が高齢者で、浴室内のため発見が遅れる可能性があるという。同組合では屋内の温度差をできるだけなくし、万一に備えて入浴時に家族に声をかけるなどの予防と対策を呼び掛けている。  ヒートショックは居室と浴室やトイレなどの温度差、熱い湯に入ることで血圧が乱高下し、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす。気温が下がる11月~3月に多い。  同組合によると、今年11月末までの出動(約3万1600件)のうち、ヒートショックは202人(件)。めまいなど体の不調で救急搬送された人は111人で、8割以上を65歳以上が占めている。  一方、心肺停止状態は91人で、うち55人(全体の27%)が救急隊の到着時に死亡が確認され、搬送に至らなかった。死亡していた人のうち45人(82%)は浴槽内で、28人(51%)は浴槽に顔がつかっていた。心臓や血管の疾患で意識を失い、入浴中で発見が遅れ、おぼれて亡くなるケースがあるとみられる。  厚生労働省の人口動態調査でも高齢者の「不慮の溺死および溺水」による死亡者数は全国的に高い水準で推移しており、交通事故死の数倍といわれている。  消費者庁は、入浴前に脱衣所や浴室を暖める▽湯の温度は41度以下で、つかる時間は10分以内▽浴槽から急に立ち上がらない▽食後すぐの入浴や飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける-などを注意点として挙げている。  同組合では「自宅の浴室は一人になるため、発見が遅れると命に大きくかかわってくる。家族のいる方は入浴前にひと声かけることなどを意識してほしい」としている。