トイレつまりは緊急性の高い問題現象ゆえ、パニックにおちいり、的外れな対応をしてニッチもサッチも行かなくなるケースが少なくありません。
トイレつまりはその症状やその原因によって対応方法が異なります。症状から原因を見極め、その原因を取り除くに適切な手段(解消法)を選ぶことも重要です。
原因が分からない、解消法が自分では手に負えない、という場合には、業者に改修の依頼をすることになりますがその際の業者の選び方も重要です。
また、今後再びトイレつまりをおこなさないための予防策も大事なことですね。
本ページでは、トイレ詰まりの前兆・原因・解消策・予防・業者の選び方についてまとめました。
トイレつまりの前兆と症状
トイレのつまりは、なにか大きな固形物を落とした場合と、徐々につまりが進行していく場合と2つのパターンがあります。
前兆を察知して、早めに対処できれば、深刻なつまりを起こす危険を回避できます。
水回りの中でも、トイレは日常生活において最も頻繁に使用される場所です。
そのため、詰まりや水漏れなどのトラブルも起こりやすいです。
そして、トイレ詰まりなどでトイレを正常に使用できない状態は、水回りのトラブルのなかでももっとも切実なトラブルと言えます。
もし自分自身でトイレのトラブルを解消出来れば、余計な出費を抑えるだけでなく、もっとも迅速な解決ができます。
多くの場合はラバーカップ(スッポン)を使った対処でつまりが改善しますが、そうでない場合は深刻な問題が発生していることもあります。
ここではトイレつまりが発生する前に起こる前兆、予兆、現象、症状などを紹介します。実際につまりが起こる前に対処して、発生を食い止めましょう。
【トイレつまりの症状ケース1】〜水はタンクから正常に流れるが便器の流れが悪い〜
トイレに用を足して、水を流した際に、タンクからは正常に流れてくるが、便器での流れがイマイチ悪いという症状です。
水は流れるには流れるが時間がちょっとかかる、一旦少し水位が上がるなどの現象が見られるのがこのケースです。この症状はトイレつまりの軽度な症状といえます。
なんらかの理由で、便器または排水管に異物があり、それが水の流れを妨げていると推測されます。
しかし、一部の水路をふさいでいるに過ぎないので、スムーズではないけど、とりあえず水は流れます。
完全な詰まりではないために、対処されず放置されてしまうことが多いようです。しかし、それでは事態を悪化させる可能性があります。
すでになんらかの事物があるので、他の異物を巻き込んだりして、水路を更にふさぐということになり兼ねません。
そうなると、症状ケース2 “水を流した時に溜まる水の水位が高い” に発展してしまいます。
【トイレつまりの症状 ケース2】〜水を流した時に水位が高くなる〜
トイレに用を足し水を流した際、正常であれば、水位が上昇することなく、トイレットペーパーや排泄物が流れていくところですが、流れにくく、次第に水位が上昇してしまうという症状です。
この症状がいわゆるトイレ詰まりの典型的な症状といえます。
この症状は、便器の中か、その先の排水管に異物が詰まっていることが原因である可能性が高いです。
どのような異物が詰まっているか、どこの場所がつまっているのか、そしてどの程度のつまり具合かによって、直し方(対処法、解消法)が異なります。
このような場合、いったんは、水位の変化を見守りましょう。
次第に水位が下がるようでしたら、詰まりはしているものの、まだわずかに水が流れる隙間が存在しているということです。
水位が変わらないのであれば、完全に詰まってしまっているということになります。
このことにより、トイレ詰まりの程度が判断できます。
そして、つまりの原因把握ステップに進みましょう。
この場合、注意すべきは2点あります。1点目は闇雲に水を流すレバーを引いて、更に水を流さないことです。
つまりの程度が低い場合には、運良く二度目の水流で、詰まりの原因が押し流されることもありますが、トイレつまりの原因が二度目の水流でも押し流されない場合には、更に水が上がり、あふれてしまう危険性があります。
もうひとつの注意点は、原因をよく把握しない状態で、とりあえずラバーカップ(スッポン)などでカパカパ水を押し込んだり、バケツで水を流したりしないことです。
ラバーカップは、本来紙のつまりなど、排水管に押し込んでも支障がないものの詰まりで、かつ、程度が軽い場合には有効です。それ以外の異物が障害になっている場合には、つまりの症状をさらに深刻にしたり、排水管自体の損傷などの事態におちいるリスクがあります。
あくまでもトイレ詰まりの対策は、<原因把握>→<原因にあった直し方(対処法・解消法)>というステップを踏みましょう。
【トイレつまりの症状ケース3】〜タンクからの水流が少ない〜
トイレのレバーを引いて水を流しても、水の勢いが弱い・水量が少ないという症状です。
そのような場合は、便器に問題があるのではなく、水をためているタンク側に原因があるケースが多いです。
水洗トイレのタンクは、便器へ流す水を一旦ため込み、用便後に、レバーを引くことによって、便器に流れ込む仕組みになっています。
タンクからの水が弱いのは、もともと、タンクにしっかりと基準の水位まで水が溜まっていないか、または、タンクから便器への水の流れを妨げるなにかがあるか、ということになります。
これは便器内でつまりを起こす直接的な原因ではないのですが、汚物を流すための水圧が足りないと、排水管や便器内部でつまりを起こす危険性を高めます。
タンクからの水流が少ない場合は、フロート弁(ゴムフロート)が機能していないなど、タンク内部の問題でタンクに水が溜まらなくなっている可能性があります。(用語集: フロート弁)
タンクに水がたまらない場合の対処を行なって、十分な水量が保てる状態にしましょう。
作業の前には、止水栓を締めることを忘れないようにしましょう。(用語集: 止水栓)
また、明らかにタンクの水が便器内に流れっぱなしになっている場合は、すぐに対処しないと高額な水道料金を支払うことになりかねませんので、なるべく早く原因を特定して対処しましょう。
タンクでチョロチョロと音がするという場合でも、月に2000円ほどの無駄な水道代が発生します。これはトイレに限った話ではなく、お風呂場や台所などでも同様ですのですぐに対処しましょう。
【トイレつまりの症状ケース4】〜水を流した時に異音がする
トイレで水を流したら“ポコポコ”“ボコボコ”などと音がすることがありませんか?
こういうケースは要注意です。異音が発生している箇所で、何かしらの不具合が生じているケースがほとんどです。
便器の中で、異音がする
水を流した時、便器の中でポコポコなどの音がする場合は、便器の中に何かしら異物がある可能性があります。その異物が水流を邪魔して、異音を発生させていると考えられます。
便器の更に下の方から異音がする
水を流した時、便器ではなく更に下の床から異音がする場合があります。通常であればその音はすぐに治まりますが、継続的にポタポタなどの音が続く場合があります。
その場合は、便器ではなく排水管に何か異変が生じていることが考えられます。
タンクから異音が聞こえる
水を流したとき、その後タンクから、シューなどの水流の音が発生してそれが続く場合があります。それらの異音はタンクから便器への水の経路になんらかの異変が発生しているケースが多いです。
便器のウォシュレットから異音がする
トイレを使用後ウォシュレットを使用する際にうまくシャワーできなかったり、それに伴う異音が発生するケースがあります。
これはトイレつまりとは直接関係ありませんが、ウォシュレット機能に不具合が生じているケースが多いです。この場合には、メーカーの相談窓口に相談することをおすすめします。
気になる音が聞こえたら...?
いずれにせよ、トイレの便器およびその周辺で異音が発生するのは、何らかの異常のサインである場合が多いです。その時には支障がなくても、あとからトラブルが大きくなることは少なくありません。
異音が発生した場合は、その症状(音と継続時間)をよく把握した上で、その箇所の調査などをできる範囲で行ってみましょう。
なお、排水管の場合は、一般の人では調査自体も不能ですので、業者や専門家に相談してみまししょう。
以下、トイレに関するよくある質問です。
最近トイレの水流が弱いのですが大丈夫でしょうか
水を流すと水位が上がって溢れないか心配です
便器の水がすぐになくなる・水位が低い
つまりの前兆や症状となっている場合があるので、心当たりがあれば気をつけましょう。
トイレ詰まりの原因
トイレに流してはいけないものの代表格はティッシュペーパーです。
トイレットペーパーをきらしてしまった場合に、つい使ってしまいがちです。
しかし、ティッシュペーパーは見た目は似ていても、水に溶けにくいという点で、トイレットペーパーとは根本的に異なり、詰まりやすい素材と言えます。
また、ほとんどの人がトイレでしてしまう「おう吐」もつまりの原因になります。
そういったトイレつまりの原因を詳しく説明します。
また、トイレの便器の中で、詰まりやすい箇所があります。
トイレのつまりは、
- つまりやすい箇所に
-
②水流の強さ(弱さ)
または - ③異物
が加わって引き起こされるケースがほとんどです。
トイレつまりの原因① つまりやすい場所
-
つまりやすい箇所 せき(図参照)
便器のせきの部分は排水路の中で狭くてしかも急カーブになっています。
この箇所がつまりやすい第一の箇所です。 -
つまりやすい箇所 排水口の手前(図参照)
排水口の手前の便器排水路の出口付近にくぼみがあり
ここにも常時水が溜まっています。
ここも詰まりやすい第二のポイントです。
トイレつまり原因② 水流の圧力不足
多くのタンク式トイレでは大小のレバーがついており、用途に応じて使い分けるようになっています。当然大のレバーの方が小のレバーより、水流が強く設定されています。
言い換えれば大便を流すのに、小のレバーをひくと必要な水流は得られないことになります。また、節水などの目的でタンクにペットボトルなどを入れる場合もよくあると思います。これが実はつまりの原因となる場合もあります。
トイレの内部や排水管は思うより複雑になっており、ある程度の水流がないと内部で固形物の詰まりを起こしてしまう可能性があるため、確実に流れるように水量が調整されています。
ペットボトルなどでのタンク内水量の調整は水道代の節約にはなりますが、重度のつまりを起こした場合のデメリットを考えると避けたほうがいいといえるでしょう。
トイレつまり原因③ 異物の紛れ込み
水洗トイレは基本的には、水に溶けるトイレットペーパーのみが使用可能になっています。
そしてトイレのつまりは多くのケースは、トイレに落とした異物にトイレットペーパーなど異物が引っ掛かり、排水がうまく行かなくなることが原因となって起こります。
不要なものなどは落としてしまっても拾うのを躊躇してそのまま流してしまいがちですが、詰まりの多くはこういった小さな異物が原因となります。
普段からトイレにはトイレットペーパー以外の物は流さないようにして、詰まりを起こしにくくしておきましょう。
トイレつまりの原因になりやすいもの・異物の例詳しい異物の例を次にまとめました。
【トイレットペーパー】
なんとトイレつまりの原因の上位に、トイレットペーパーがあります。
流していいはずのトイレットペーパーも、一度に使いすぎるとつまりの原因となる場合があるのです。
基本的には水に溶けるものなので、時間を置いて溶かしたり、バケツの水を使ったり、ぬるま湯で溶かすなどの方法も効果があります。
ラバーカップ(スッポン)でも直りやすいです。
とはいえ、トイレットぺーパーだけでトイレを詰まらせるには、シングルで1ロール、ダブルで半ロール程度必要です。
そこまで使っていないのに詰まってしまった場合、詰まっているのはトイレットペーパーだけではないのかもしれません。
トイレットペーパーが別の異物と絡まるなど、何か他の要因と合わせてつまりを起こしてしまう事態が多く発生しています。
トイレットペーパー以外の異物が何であるかによって、対処法が変わりますので異物の例の項目を参考にしてください。
ちなみに、トイレットぺーパーでトイレを詰まらせるにはダブルで半分、シングルで1ロールを一度に流すぐらいの量あれば十分だそうです。
普段の使用について、トイレットペーパーの平均使用量は一人あたり3~4ロール/月とのことなので、これ以上使っている感覚があるのなら、少し控えてもいいかもしれません。
また、海外製の粗悪品は水に溶けないものもありますので、分けて流すなどして使用に注意しましょう。
【ティッシュペーパー】
トイレ用にティッシュペーパーを携行している人もいて、トイレットペーパーがなかった場合に代用品として使いがちですが、テッシュペーパーとトイレットペーパーは違います。
トイレットペーパーがほぐれやすい繊維構造になっているのに対して、ティッシュペーパーはほぐれにくくなっています。
排水管やトイレ内部にすでに異物がこびりついている場合、ティッシュペーパーがその箇所に引っかかり、つまりを起こす可能性があります。
少量であれば問題にならないと思いますが、トイレットペーパーと同じ感覚で大量にトイレに流すとつまりを起こす原因となりますので、使用する際はできれば燃えるゴミとして捨てましょう。
もしティッシュペーパーがつまったら、ラバーカップを試すか、もしくは洗浄剤を使用して溶かしたり、ぬるま湯で時間をかけて溶かします。
【流せるお掃除シート(トイレクリーナー)】
トイレクリーナーなどの名称で販売されているトイレ用お掃除シートの多くは、水に溶けるタイプで便器に流してOKと表記されています。しかし、トイレットペーパーほどすぐに溶けるわけではありません。一度に大量に流そうとすると詰まりの原因になります。
お掃除シートに溶けないゴミなどが大量に絡んでいるということでなければ、最終的には水に溶けるはずですので、洗浄剤やぬるま湯を使用して溶かしながらつまりを解消します。
【生理用ナプキン】【おむつ】【ペットシート】
生理用ナプキンにしても、おむつにしても、ペットのトイレシートにしても、その用途から水によって溶ける作用はなく、むしろ水を吸って膨らみます。なので、トイレの水流を受けるとその水を吸収してしまうのです。さらに詰まって放置するとどんどん取りづらくなっていきます。便器に落とした場合、見えていればできるだけ早く取り出しましょう。奥に詰まってしまって容易に取れない場合はワイヤーブラシを使用して取り出します。
【携帯電話】【スマホ】【財布】【ハンカチ】【ライター】などの小物
これらはポケットから落ちてしまった、というパターンの多い小物です。そして、プラスチックや金属で構成されているこれらの小物は水に溶ける可能性がないので、押し込んでしまうことは厳禁です。ラバーカップを使用すると、余計奥に押し込まれてしまいます。必ず「戻ってくる」「取り出す」方法でトイレつまりを解決する必要があります。
ワイヤーブラシで引っ掛けて取り出すか、もしくは真空パイプクリーナーで引き寄せて取り出します。つまった場所が排水管までいっている場合は便器を外す必要が生じます。
【おしりふき】
赤ちゃんのおしりをふくのによく使われるおしりふき。おしりふきは水に流せるものとそうでないタイプがありますので、使用の際にはよく表書きを見るようにしましょう。どちらのタイプでももし詰まってしまったら、ラバーカップを試すか、もしくは洗浄剤を使用して、水に溶けるタイプならぬるま湯を使用して溶かしながらつまりを解消します。
【消臭剤のキャップ】や【子供のおもちゃ】
小さい子どもがいる家で生じやすいのが、プラスチックのキャップやおもちゃ、またはおもちゃのパーツなどを便器に入れてしまって、トイレつまりを起こすケースです。その場合、大人の方はそのことを知らず、気づいたら詰まっていて、実際には何が詰まっているのかわからないことの多いパターンです。このケースも、スマホやライターなどのケースと同様、ラバーカップ(すっぽん)で押し込んで流すのは厳禁です。取り出す方法が基本になります。
真空パイプクリーナー、ワイヤーブラシで手元に戻す方法を試してみます。
【ペット(猫砂)のトイレ砂】
猫をペットとして飼っている人にとってペット砂(猫砂)は必需品です。そして多くペット砂(猫砂)がトイレで流せると表示しています。しかし、そこは「ちょっと待った!」です。そもそものペット砂(猫砂)は猫のおしっこを吸収しやすくできています。つまり人間のおむつと同じように、水に溶けるのではなく、水を吸収するのです。
なのでペットのトイレ砂は吸水性の高いものも多く、内部や排水管にこびりついて深刻なつまりを引き起こす可能性があるのです。
少々面倒でもしっかりと処分するようにしましょう。
ラバーカップや真空式パイプクリーナーで一時的につまりが解消しても、こびりつきが取れないとつまりやすい状態が続きます。ワイヤーブラシでこすり落とすか、高圧洗浄が必要になる場合もあります。
【食べ残し】【残り汁】【嘔吐物】
食べ残しや、カップ麵などの残し汁、吐しゃ物をトイレに流すことは要注意です。これらのものは油分が含まれている可能性が高いため、トイレに流すと詰まりの原因になってしまいます。油分は水に浮く性質もあるため一箇所に固まりやすく、油分が便器の内部や排水管に付着して水の流れを悪くしてしまうのです。
また、胃酸によって浄化槽内のバクテリアが死滅して浄化機能が低下するという問題もあります。(用語集:浄化槽)
とは言え、嘔吐する場合には場所を考えている余裕もないかと思いますので、トイレで嘔吐した場合には普段より念入りに水を流してなるべく油分を流すようにしてください。
トイレつまりの解消法~ビギナー編~
トイレ詰まりの対処法を、未経験者でもできるビキナー編と、自信のある人だけ向きのセミプロ編に分けて説明します。方法は7つあります。
トイレのつまりの対処法を詳しく解説していますが、自身でつまりを直そうとして余計悪化してしまうこともあります。下記にいくつかの例を書いておきますので、これらのことを念頭に入れて、注意深く作業するようにしましょう。
- つまったものを自分で取ろうと器具を使用したら余計奥に行ってしまい、かえって費用がかかってしまった。
- つまりが直ったのか詳しく確かめずに使用して、便器から水があふれてしまい、階下に水漏れしてしまった。
- 器具の使用法を誤り、汚水が飛び散って室内に臭いが充満した。
- 便座を壊してしまい、新品の便座の購入と取り替え費用がかかってしまった。
自信がなければ、すぐに業者さんに依頼するようにしましょう。そちらのほうが安くて早くて衛生面でも安心な場合もあります。
もし、ご自身で作業される場合は、感染症を防ぐためにゴム手袋をつけること、ウォシュレットなど電源がある場合は感電を防ぐため切ってから作業を開始しましょう。
トイレつまり解消法1 バケツ(ペットボトル)で水を流す
トイレットペーパーなど、本来水に溶けるはずのものが詰まってしまった場合に効果的な方法です。
本来溶けるはずのものが溶けていないということは、塊になっていたりして溶けづらい状態にあると考えられます。
バケツで水をジョロジョロと滝のように落とす方法で、便座の中に水の動きや隙間を作り出して、溶けやすくしてあげるイメージです。
ポイント1 一気に流しすぎない
排水口に向けて、少し高めの場所から注ぎ入れるようにジョロジョロと流します。バケツでなくても大きめのペットボトルでもいいですし、トイレ近くに水栓があればホースでも同じ効果が見込めます。
水と一緒に、空気を排水口に入れてあげるイメージです。
ポイント2 便器内の水位が高い場合は減らす
詰まっている箇所に水の動きを与える方法なので、便器の中の水位が高い状態のままでバケツから水を流しても、水が多すぎて詰まっている箇所までは影響を与えられません。
水位が高くなって水がタプタプ状態であれば、水を流す前にバケツやポンプで水を汲み出して、排水口に水を当てられるくらいまで減らしてから行います。
ポイント3 水が減らないうちはレバーで流さない
バケツで水を流していくと、つまっているうちは水位が上がってきますが、詰まりの原因物質が溶けて(ほどけて)いけば、バケツの水も溜まらずに流れていくようになります。
つまりが解消すれば、バケツで水を入れても水位が正常を保つようになりますので、それまではレバーで水を流さないようにしましょう。
トイレつまり解消法3 ぬるま湯を入れる
本来水に溶けるはずのトイレットペーパーや、お湯でふやける可能性のあるものが詰まっている場合に試します。
洗浄剤や、重曹などと組み合わせるとより効果的である場合も多いです。(用語集: 洗浄剤)
ポイント1 熱湯はNG
ふやかすだけならお湯の温度は高いほうが早く効果が出ますが、トイレ自体が温度に耐えられずヒビ割れしてしまう可能性があります。
触れられる程度のお湯で、50度くらいまでにしましょう。
このポイントを守らなければ、ひび割れの修理やトイレ本体の買い換えの必要が発生してしまい痛い出費になりますので十分注意してください。
ポイント2 バケツと同様の方法で
お湯というだけでもトイレットペーパーはふやけやすくなっていますが、バケツで水を流す方法と同じように、なるべく高い場所から注ぎ入れましょう。
ポイント3 ぬるま湯と放置を繰り返す
30分ほどそのままにして、またお湯を流すを繰り返すのも効果的です。
よくある質問
トイレが詰まった場合、放置して直ることもあるの?
ポイント4 洗浄剤と組み合わせる
早く水に溶けるように市販の洗浄剤を一緒に使う方法もあります。
もし自宅に重曹があれば、洗浄剤の代わりに重曹とお酢を1:2の割合で便器に入れて待つことで、お湯だけよりは多少効果が上がります。(用語集: 洗浄剤)
量としては重曹が計量カップ1/4~1/2くらいです。
トイレつまり解消法3 ラバーカップ(スッポン)
トイレのつまりといえば、多くの人が最初に思い浮かべるのがこのラバーカップです。棒状の取っ手に、ゴム製の半球がついています。ゴムが戻る力で空気を動かして水流を作り出します。
スッポン、ギュッポン、ガッポン、スコスコ、などの愛称(擬音)で呼ばれるのが常ですね。(用語集: ラバーカップ)
手軽に使えるラバーカップ、改めて正しい使い方を詳しく説明します。
手順1 ビニールシートでトイレを覆う
便座の周囲に汚水が飛び散るのを防ぐために、透明のビニールシートの真ん中に穴を開けて、そこにラバーカップの柄を通します。
大きめのゴミ袋が便利です。
手順2 ラバーカップでつまりを除去する
便器の排水口の部分に隙間が出来るだけできないようにラバーカップ(スッポン)をくっつけて、まずゆっくりと排水口に向かって押し、そのあと勢いよく引き抜いて下さい。
排水構口に排水が引き込まれるようになるまで、この作業を繰り返して下さい。
トイレットペーパー以外のものが排水口に詰まっている場合は、配管が詰まってしまう可能性がありますので、詰まりの原因を押し流してしまうのではなく、便器内に引き戻すようにして下さい。 便器内の水位が上昇してあふれかかっている場合も、ラバーカップを押し込んでしまうと、タンクの排水弁が開いてさらに水が便器に入り込み、便座から水があふれてしまう可能性があります。
その場合は、バケツで汲み出したり、手動のポンプを使うなどして水位を下げてから使用をして下さい。
ラバーカップを使っても詰まりが取れない場合は、専門の業者を呼んだほうが賢明です。
手順3 バケツで水を流す
詰まりが取れたような感覚があれば、バケツを使って便器内に勢いよく水を流してみて下さい。
スムーズに水位が下がっていけば、詰まりが解消しています。この確認のために、タンクの水をレバーで流すのはNGです。もし詰まりが取れていなかった場合は、便器内から汚水があふれてしまうこともあります。
まずは、バケツに水を汲んで少な目の水を流すようにして下さい。
手順4 詰まりの状態が改善されない場合
残念ながらラバーカップを用いた方法でも詰まりが解決しなかったとしても、少し落ち着いて待ってみましょう。
夜なら一晩トイレに行けなくなりますが、待つことで自然とつまりが解消される場合もあります。
トイレットペーパーを大量に流したり、ペットのトイレ砂を流した場合などによくあることですが、時間の経過により異物が水に溶け込み、解消するようです。
ただし、それでもつまりが解消されなかった場合にはすみやかにトイレ修理の専門業者に連絡して直してもらってください。
無理をして使い続けると、本格的につまりが深刻化した際にトイレからあふれた水で家を汚してしまう可能性があります。
トイレつまり解消法4 真空式パイプクリーナー
真空式パイプクリーナーとは、ポンプのついたラバーカップ(スッポン)だと言うとイメージしやすいでしょうか。より吸引する力が強いため、詰まっているものを便器内に引き戻せる可能性がグンと高くなっています。(用語集:真空式パイプクリーナー)
使い方
水を張ったところにゆっくりと、しっかり力を込めてグッとカップ部分を「押し付け」ます。
その後、ポンプのレバーを引きます。
動作を繰り返す際、水の中でレバーを戻そうとすると水が跳ね上がる可能性があるので、コツを掴むまではゆっくり慎重にやってみましょう。
水に溶けない、硬い小物が詰まっていた場合、強く引き寄せたあと、ビニール手袋をして手で取れることもあります。
真空式パイプクリーナーの選び方
ラバーカップで直らなかったつまりも真空式パイプクリーナーで直ったという話も多く、買うならこちらという家庭も増えているようです。
トイレに使う場合は、排水口のサイズを調べて購入しましょう。目安として170mmほどの直径が必要です。
トイレつまり解消法 ~セミプロ編~
トイレつまりの修理方法について、ここからは初心者ではちょっとハードルが高めの、しかし道具と知識があればできるセミプロ級の修理方法をまとめました。
トイレつまり解消法5 ワイヤーブラシ
トイレのつまりがラバーカップや真空式パイプクリーナーで解消されない場合は、ワイヤーブラシで取り除くという方法があります。
ワイヤーブラシというと、一般的には針金のクシのようなものを想像するかもしれませんが、排水管の掃除に使用するワイヤーブラシは1メール以上ある長い器具です。
バネ状になった金属が細長く伸び、その先端部分にブラシがついています。この先端のブラシ部分が排水管の内部を通過する際に、詰まっている異物を崩すなどして詰まりを解消します。(用語集:ワイヤーブラシ)
水道工事の専門業者でも扱いが難しい器具ですが、使えればトイレだけでなくあらゆる排水管の清掃ができるようになります。
ただし、この方法はつまり改善がかなり困難な場合にのみ使うようにしましょう。
なぜなら、経験が少ない人がワイヤーブラシを使ってもうまく行かない場合が多いからです。
本項では一応つまり解消法のひとつとして説明を行ないます。
ワイヤーブラシの選び方
ワイヤーブラシを常備しているというご家庭もあまりないかと思いますので、まずはどういう基準でワイヤーブラシを選べばいいのかという点からご説明します。
ポイント1 ワイヤーの強度
ワイヤーブラシは長く出した針金を配管の奥まで進めて詰まりを解消させるという特性上、ある程度の強度がなければ途中で折れ曲がってしまい、詰まりの発生している排水管の中まで到達することが出来ない場合があります。
使用する排水管の形状(どの程度曲がりくねっているか)にもよりますが、ある程度硬さのあるものを選ぶべきでしょう。
ポイント2 値段か?強度か?
市販のワイヤーブラシは業務用のワイヤーブラシに比べて格段に安いです。
しかし、その分強度が劣ります。
前述のとおり、強度がなければつまりの解消ができない可能性があるので、値段よりも強度を優先して考えたほうがいいでしょう。
一般的には2000円~5000円ぐらいの価格帯で市販されているようです。
ポイント3 ワイヤーの長さ
長ければ長いほどいいというわけでもありません。
というのも、家庭用に市販されているワイヤーブラシの殆どは、前述の強度の問題で10mも20mも先までは進めないからです。
基本的には2~3mレベルの詰まりを解消することが限界で、それ以上は自分でやるよりも業者に委託したほうが金額的にも労力的にもお得だと思います。
ワイヤーブラシの使い方
手順1 汚水の飛び散りを防ぐ
トイレつまりの対処全般に言えることですが、ビニール袋など利用して汚水の飛び散りを防止しましょう。切り広げたビニールの真ん中に穴を開け、ワイヤーブラシを通して使用します。
手順2 ワイヤーを伸ばして便器の中に入れる
2mも出していれば十分です。
トイレの底めがけて伸ばしていきます。
手順3 ねじりを加えながら差し込む
ワイヤーブラシを差し込む際にはただワイヤーを伸ばしていくだけでなく、ワイヤーが排水管の壁面に沿って進むよう、グルグルとらせんを描き、ねじりながら突っ込んでいきましょう。
トイレの構造上、それほど長くワイヤーを出す必要はありません。
また、家庭用のワイヤーブラシは柔らかいため、内部でもつれてしまうことがあるので注意しましょう。
手順4 ワイヤーを前後させて詰まりを解消する
ある程度伸ばしたら、異物を引っ掛けたり汚れを崩すイメージでワイヤーを前後させます。
もし、ある程度の長さまでワイヤーを伸ばして効果が見られないようですと、排水管のつまりが原因となっている可能性が高いので便器を取り外して作業する必要があります。
手順5 ワイヤーを清掃する
この作業が最も大変かもしれません。作業に使うために長く伸ばしたワイヤーを清掃します。
バネ構造の隙間に汚れが入り込んでいますので、念入りに掃除しましょう。
もったいないですが、使い捨てとして考えるのもひとつの手かもしれません。
トイレつまり解消法6 高圧洗浄機
高圧洗浄機は外壁の汚れや、車のボディの汚れを落とすのに活躍しますが、トイレつまりの修理でもその水圧が一役買ってくれます。 (用語集:高圧洗浄機) ここでは、高圧洗浄機を使ってトイレのつまりを修理する手順を解説しています。
手順1 汚物の飛び散りを防ぐ
高圧洗浄機は水を噴射して掃除する機械です。(用語集:高圧洗浄機)
トイレで使用すると、ほぼ確実に汚水が跳ね返ってきます。まずはゴミ袋などに穴を開けたものを水除けとして作り、トイレにかぶせて汚物の飛び散りを防ぎましょう。
洗車や外壁掃除用の家庭用高圧洗浄機を使用したい場合は、配管洗浄用のホースに付け替えて使用します。
手順2 ホースを便器の曲がり角まで突っ込む
便器の底で曲がっている部分までホースを突っ込みます。
そのため、使用する高圧洗浄機はホースの先端が曲がっているものを使用する必要があります。
手順3 スイッチを入れて水を噴射する
便器の曲がり角までホースを入れたら、スイッチを入れて汚物を吹き飛ばします。
上述したとおりラバーカップとは違い、汚物を押しこむことになるため固形物が原因の場合は絶対に行わないようにしてください。
手順4 バケツなどで水を流してつまり解消を確認する
水洗レバーでは水を流さず、バケツなどでくんだ水で流れるか確認しましょう。
問題なく流れればつまりは解消されています。
トイレつまり解消法7 便器取り外しによる詰まり原因除去
トイレのつまりを修理する方法として、最後に紹介するのは、便器自体を床から取り外す方法です。
ここまでくるともう専門業者のレベルですので、自信がなければ無理せず業者に依頼するようにしましょう。
手順1 止水栓を締めて水を止める
すべての水まわり修理・工事に共通ですが、まず水が出ないようにします。
マイナスドライバーで締めるだけで止められます。(用語集: 止水栓)
手順2 給水管を外す
ウォーターポンププライヤーかモンキーレンチを使って給水管を取り外します。
この時タンク内部に部品を落としがちなので気をつけましょう。(用語集: ウォーターポンププライヤー、給水管)
手順3 タンク内と便器の水を抜き取る
タンク内の水を灯油ポンプなどを使って抜き出します。
同時に便器に残っている水も抜き出しましょう。
灯油に使用したものは使わないでください。
また、手洗い蛇口の付いているタイプの便器はこの時に蛇口につながっているホースを取り外しておきます。
手順4 便座からタンクを取り外す
タンクに接続されているものを取り外したら、まっすぐ上に持ち上げてタンクを取り外します。
手順5 便器を取り外す
便器を固定しているナットを外して、便器を取り外します。
ナットは陶器で出来ている場合が多いため、割ってしまわないように気をつけてください。
また、便器を持ち上げると下水管が丸見えになるため、パッキン等の部品を落とさないように何かで蓋をしておきましょう。(用語集: パッキン)
手順6 詰まりの原因を特定して取り除く
便器を取り外したら詰まりの原因を特定して取り除きます。
便器も下水管側から見てみたりして、固形物が詰まっていないか確認します。
下水管に何かが詰まっている場合は、落として済まさずに必ず回収しましょう。
より下流での詰まりの原因となる場合があります。
手順7 逆の手順で取り付ける
外した時と逆の手順で便器を取り付けます。
細かなパッキンなどの部品の付け忘れのないように注意しましょう。
実はこの作業が最も難易度が高かったりします。
手順8 念の為にバケツで水を流して流れを確認する
つまりの原因が見えていた場合は除去することで解決するはずですが、組み立てのミス等がある可能性もあるので念の為にバケツで少しずつ水を流して流れを確認しましょう。
床に水が流れたりした場合には、残念ながらやり直しです。
トイレつまりの修理を業者に依頼する時
トイレのつまりのDIYは、間違うと被害が拡大して余計な出費になることも、集合住宅の場合はご近所トラブルにも発展しかねないデリケートなものです。
自分でトイレのつまりを直せない場合は、当然業者に依頼するしかありません。
ここでは、
- トイレつまりを業者に依頼する判断基準
- トイレつまりを業者に依頼した場合にかかる時間と金額の目安
- トイレつまりを依頼する時の業者の選び方
について説明します。
業者に依頼する判断基準1 水位が変わらない
つまりが発生したとき、少しずつでも便器内の水位が下がっていっていれば、軽度のつまりである場合も多いので、細心の注意を払いつつ、いくつかの解消法を試してみる価値はありそうです。
便器の中の水がまったく減っていかない場合は、つまりの度合いは深刻である可能性が高いです。業者さんに相談しましょう。
業者に依頼する判断基準2 詰まりの原因が水に溶けないもの・または不明
トイレットペーパーなどの紙類(水に溶けるもの)がつまりの原因である場合は、先に紹介した解消法もかなり有効ですが、原因が芳香剤のキャップなどの固形物の場合はまったく意味のない場合もあります。
余計奥に行ってしまい、排水管のほうまで工事しなければならなくなると費用も高額になります。
硬いものが便器を傷つけることも考えられます。
つまりの原因が水に溶けないものであれば業者さんい依頼したほうが賢明です。
業者に依頼する判断基準3 普段から流れが悪い
何かをトイレに落としてしまう以外に、つまりの原因になることが2つあります。
まず、家の築年数。長く使用していると尿素が固まって石のようになり、排水管の通り道を狭くしている場合。
2つ目は、節水で水を少なめにしている場合。
これらの場合は、その時起こったつまりが解消しても、基本的につまりやすい状態にあります。
「トイレつまりの起こる前兆」をチェックして、つまりが発生する前から前兆が起こっていたようであれば、根本を改善するために業者さんに相談してみましょう。
トイレつまりを業者に依頼した場合の金額の相場
トイレのつまりを業者に依頼した場合、基本的には、複数の内容の金額になります。
大まかには、作業料金 +基本料金 + 出張費 となります。
つまりの原因にもよって当然変わりますが、軽度であれば合計8000円くらい、便器の着脱などが必要になってくると数万円掛かる場合があります。
電話で見積もりしてもらっても、実際に見てもらうと金額が変わる場合があります。
インターネット上では安い金額を表示して、実際に行ってから上乗せしてくる業者もいます。
見積りが無料のところを呼んで、しっかり説明を聞いて依頼するようにしましょう。
余裕があれば、複数の業者に見積りしてもらうのが良いでしょう。
トイレがつまった時、一刻も早く直して欲しいのは当然のこと。業者が到着して作業開始してからどれくらいで直るかといえば、軽度のつまりであれば30分かからないこともあります。
しかし原因がわからず改善しない場合や、便器を取り外す工事などであれば数時間かかることがあります。見えない部分の問題を直す仕事ですし、万が一のことがあっては大変なことになりますので、慎重な作業となります。作業に取り掛かる前に、料金の見積もりと一緒に時間の目安も確認しておきましょう。
特に、小さなお子さんのいる家庭の場合は、近所のコンビニなどでトイレが借りられるかどうか、その瞬間に慌てなくていいように工事が始まる時に確認しておきましょう。
トイレつまりを依頼する業者の選び方
可能であれば、複数の業者に見積もりを取りそこから選びたいところですので、見積もりを無料でしてくれるところを選びましょう。
見積もりの際に、なにがどうなってこの金額がかかるのか、知りたいことを教えてくれる業者さん、つまり信頼できると感じたところが一番です。
相見積もり(複数の見積もり)を取る余裕がない、すぐにどこかに依頼しないと!という場合は工事後のアフターフォローがしっかりしているところを選べば、万が一同じ原因で同じ症状が起こった場合でも補償制度が利用できたり、納得がいかない場合にはクーリングオフができたりと、選ぶ余裕がない場合でも安心です。
もうひとつ、選ぶときの基準になる点として、水道やトイレなど水回りを工事する業者には、「指定業者」とそうでない業者があります。
水道局から指定の認定を受けている業者さんであれば、やはり責任感も違ってきますし、指定でない業者さんよりも幅広いサポートができます。
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