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コロナ太りは「朝」で解消!腹が凹む5大秘訣

新たな問題のひとつになりつつある「コロナ太り」

いま、世界中で闘っている新型コロナウイルス。

この感染を抑えるためには、「外に出ないこと」がいちばん大切なことです。しかしずっと家にいると、どうしても運動不足は否めません。この「コロナ太り」対策も、いま大きな問題になっています。

新型コロナウイルスに負けないように、しっかり食べて健康を保ちたいと思いながらも、家の中だとできる運動も限られてしまいますよね。日ごろからダイエットを心がけている人はもちろんですが、いままでとくに気にしていなかった人でも、この時期の「体重の増加」に不安を抱いているのではないでしょうか。

しかし、運動で解消することだけに頼らず「朝の過ごし方」の工夫をプラスすれば、体重の増加をしっかり抑えることができます。そして、それは今日からできるものです。

では、その「朝の過ごし方」とはどのようなものでしょうか。ここではその解消法5つを紹介します。

1つ目は「朝は『決まった時間』に起きる」ことです。

「体内時計をきちんとリセット」することが大切

【1】朝は「決まった時間」に起きる

私たちは日中活発に活動し、夜は休息(睡眠)をとるという生体リズム(体内時計)が備わっています。この体内時計と、食事や運動、睡眠といった生活のリズムを同調することが、肥満や生活習慣病の予防にとって大切であることが動物実験や疫学調査から明らかになってきているのです。

「時計遺伝子」のリズムに沿った生活をすると、エネルギー代謝が高まり、筋肉の合成を促進するタンパク質が増えることがわかっていますが、このリズムは、24時間よりやや長く、実際の時間とは少しズレが生じています。

このズレは「朝起きて太陽の光を浴びる」ことでリセットできます。人間には太陽の光を浴びることで、「時計遺伝子のリズム」と「地球の自転のリズム」のズレをリセットするメカニズムが備わっているのです。

例えば、休みの日などに起床時刻が数時間遅くなると、体内時計と普段の生活リズムとの間にずれが生じ、結果としてダイエットに支障を来すことになるのです。朝は決まった時間に起きて光を浴び、体内時計をリセットしましょう。

【2】「朝食抜き」はかえって太る

「動いていないから、食べる量を減らすために朝食は抜いてしまおう」と、つい考えてしまいがちですが、実は朝食を抜くと体重はかえって増加しやすくなってしまいます。これは、最近になって名古屋大学の研究チームにより解明されました。

理由は、体内のエネルギー代謝をつかさどる「時計遺伝子」と、「脂質代謝を担う遺伝子」に狂いが生じたことでした。また、活動期になっても上がるはずの体温も上がってこないという症状もありました。

つまり、朝食を抜くことで「体内時計」に異常が生じ、エネルギーをあまり消費しない体になってしまうのです。

また朝食をとらないと空腹の時間がより長くなってしまうので、その反動が昼食や夕食のドカ食いへとつながってしまう危険性も大きくなります。

 

「コロナ太り解消」のために、朝食は必ずとりましょう。また、朝食では、なるべく不足しがちな栄養素である食物繊維やビタミン、ミネラルを含んだ食事になるよう心がけましょう。

3つ目は「朝食の食べ方に注意する」ことです。

おすすめの朝食

【3】「食べる順番」に気をつけるだけでも変わる

食事をとるときに大切なのが「食べる順番」です。食事の最初に糖質を食べてしまうと、血糖値は急上昇してしまいます。血糖値の急上昇は肥満の原因になってしまいますが、問題はそれだけではありません。血糖値が急上昇すると血管を傷つけ、動脈硬化を起こしやすくなってしまうのです。

そこで、血糖値急上昇を抑える強い味方になってくれるのが「食物繊維」です。食物繊維を多く含んだ食品は血糖値の急上昇を抑えてくれるので、食物繊維を多く含んだ食品から、先に食べ始めるといいでしょう。

また、食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けにくい「非水溶性」がありますが、「水溶性」のほうは胃腸でネバネバした物質に変化します。

すると、その後に食べた炭水化物の消化を邪魔して糖質として吸収されにくくして、食後血糖値の急上昇を防いでくれます

「水溶性食物繊維」は海藻類をはじめ、ゴボウ、モロヘイヤ、オクラ、アボカドなどに多く含まれます。わかめたっぷりのみそ汁や、マイタケのスープ、アボカド入りサラダなど、朝食は「食物繊維」が多いものから食べ始めてみましょう。

【4】糖質は「多すぎず、少なすぎず」上手にとる

「コロナ太りを解消するには、完全な糖質制限をすればいいのでは」と思われるかもしれませんが、「極端な糖質制限」は、私はおすすめしていません。

ブドウ糖は不要な栄養素ではなく、私たちの体を動かしたり脳を働かせたりするためには欠かせないエネルギー源の1つだからです。つまり、朝食で糖質を抜いてしまうと、その日のエネルギー源を失うことになってしまうのです。

厳しい糖質制限を行うと、エネルギー不足から体調不良の原因となります。また、エネルギー源を肉類に求めれば、動物性脂肪の過剰摂取となります。その結果、脂質異常を招いて心疾患のリスクが高まる危険性もあるのです。糖質は、朝食から「多すぎず、少なすぎず」上手にとることが重要なのです。

私の朝食の定番に「蒸し黒豆トッピングヨーグルト」があります。ヨーグルトに、市販されている蒸し黒豆をのせただけの簡単レシピですが、低糖質で高タンパク、さらに豊富な水溶性食物繊維を含んだ最強レシピです。

 

朝食のご飯やパンなどの糖質を減らしたら「蒸し黒豆トッピングヨーグルト」をぜひ追加してみてください。糖質が減った分、タンパク質や食物繊維が多くとれるので栄養バランスもよくなります。「極端な糖質制限」は避け、上手に糖質をコントロールしましょう。

最後は、「朝食後の運動に、軽く運動する」ことです。

【5】朝食の「30~60分後に」「10分程度」軽く運動する

食後の運動はぜひ取り入れていただきたいのですが、運動のタイミングは、専門家によっても意見が分かれるところです。

私のおすすめは「食後30~60分後」です。これは血糖値の上昇を抑えるためです。血糖値は、食後1時間前後に最も高くなります。血糖値が高くなるとインスリンが出て、血糖を細胞内に取り込みます。このときエネルギーとして消費されなかった分は、肝臓に蓄えられたり、脂肪細胞にため込まれたりします。

食後に運動をすれば、血中のブドウ糖をエネルギーとして使うので、血糖値を下げることになり、脂肪が蓄積されにくくなるのです。だから、運動するなら「食後30~60分後」を私はおすすめしています。「では、『食後すぐ』のほうがいいのでは」と思う方もいらっしゃると思いますが、消化のために30分は体を休ませてあげましょう

その後、30分くらいまでの間に体を動かすのがといいのですが、運動といっても激しい運動をする必要はありません。『腹が凹む!「コロナ太り解消」簡単な運動3秘訣』でも紹介しているように、軽い有酸素運動を10分程度すればOKです。

「外出自粛」のいまこそ、朝食の後の時間を有効に使って「コロナ太り」を解消していきましょう。

上手な朝の過ごし方で「心身ともに健康」に

仕事もテレワークだったり自宅待機だったりすると、朝の通勤がないので、つい朝寝坊をしてしまいがちです。しかし、「朝寝坊せずいつもと同じ時間に起きて、きちんと朝食を食べる」ことが、「コロナ太り」解消につながるのです。

いままで以上に健康を維持する努力が大切なこの時期、「朝の過ごし方」に、少し気をつけるだけで「コロナ太り」で内臓脂肪をため込まず、心身ともに健康に過ごすことができます

 

ちょっとした「朝の過ごし方」で、内臓脂肪を減らし、お腹を凹ませることは十分可能です。「正しい知識」を身に付け、皆さんが「コロナ太り」から抜け出し、心と体が健康な毎日を送ることを、医師として心から望んでいます。