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令和初公表!47都道府県「幸福度」ランキング

地域社会に生きる人々の幸福を考えるきっかけをつくることを目指して、2012年に発刊した「都道府県幸福度ランキング」。

『全47都道府県幸福度ランキング2020年版』は9月4日発売(上の書影をクリックすると東洋経済の販売サイトにジャンプします)

9月4日に発売となった『全47都道府県幸福度ランキング2020年版』(監修:寺島実郎、編:日本総合研究所)はシリーズ5冊目となる。

同書では、地域の社会的状況や構造を示す5つの基本指標と、人々の幸福感を具体的に評価する尺度として「健康」「文化」「仕事」「生活」「教育」の5分野・50指標を設定。それに追加指標を加えた計75指標を総合して、都道府県別の「幸福度ランキング」を算出している。

今回は「総合ランキング」の中から、都道府県ランキングについて紹介する。なお、ランキングの詳細については書籍をご一読願いたい。

「仕事」「教育」で2位以下を引き離す

2020年版で47都道府県のトップに立ったのは福井県だった。2冊目の2014年版から数えて、4回連続の首位だ。

 

原動力は、1冊目の2012年版から1位を守り続けている「仕事」と「教育」。なかでも「教育」はほかの都道府県を大きく引き離す得点となっている。

ただ、総合1位の座も盤石とはいえなさそうだ。総合得点で2位以下に圧倒的な差を見せつけた前回(2018年版)と比べると、他県との差は縮まりつつある。

そんな福井県を猛追しているのが富山県だ。2012年版から1位を維持している「生活」を軸に、その他の分野も上昇。前回の5位からランクアップした。

トップ5では、同じ北陸の石川県が4位に入った。3県の共通点は「仕事」「生活」「教育」の高さだ。とりわけ「教育」はトップ3を占めている。さらに、上位の都道府県が本州の日本海側地域で形成されつつあることも興味深い。

 

こうした中で3位に食い込んだのが、過去4回連続で2位だった東京都だ。「基本指標」「文化」では、今も圧倒的な強さを誇っている。

その他の首都圏7県は、どのように推移しているのか。1冊目の2012年版と比較すると、茨城県(24位→15位)、埼玉県(21位→8位)、山梨県(13位→7位)が上昇したのに対し、栃木県(17位→25位)、群馬県(18位→22位)、神奈川県(7位→23位)、千葉県(11位→27位)がランクダウンと、明暗が分かれた。

独自の強みを生かして上昇する県も

同様に1冊目(2012年版)との比較で上昇が目立ったのは、山形県(31位→9位)、新潟県(33位→19位)、佐賀県(29位→17位)だ。上昇の要因は異なるが、「基本指標」「生活」が比較的安定していることが共通項としてみられる。

下位5県は前回と同様だが、変化もみられる。沖縄県は回を重ねるごとに1位ずつ順位を上げ、2012年版の47位から今回は44位となった。異文化交流の進展などから「文化」の上昇が目立つ。

たとえ下位であっても、個別の指標の強みや伸びに着目して磨き上げれば、順位の上昇につながるといえそうだ。