東大生の常識「そりゃ頭良くなるよ」という習慣

「そりゃ頭も良くなるよ!」という習慣がある

「頭がいい人と、そうでない人。その違いは、どんなところから生まれるのか?」「頭が悪い側の僕が、少しでも頭が良い側に回るためには、どうすればいいのか?」

僕はずっと、そんなことを考えながら生きてきた人間です。「東大に合格する人間の頭の中ってどうなっているんだろうか?」「少しでも真似できる要素はないだろうか?」と。

多くの人はここで、「そんなの、生まれつきで決まっているものなんじゃないの?」と考えると思うのですが、実は意外とそうでもない部分があると僕は考えています。

というのは、僕は東大生や社会で成功しているビジネスパーソンと話す中で、「ああ、普段からそんなことしてるんだ!? そりゃ頭も良くなるわ!」という「頭がいい人に共通する習慣」を発見した経験があるからです。

今日はそんな「頭が良い人がやっている、頭が良くなる習慣」についてお話ししたいと思います。

結論から言うと、その習慣というのは「目的を持ち続ける」というものです。常に目的を持って生活しているから、同じ時間を過ごしていても、または同じ会話をしていても、全然見える景色が違っているのです。

常に「いまやっていることの目的は何か」を自問する

例えばなんですが、東大生輩出数が多い高校の先生や予備校の先生は、「受験で合格できる生徒」と「そうでない生徒」がはっきりと分かれるポイントを知っているそうです。

みなさん、どんなポイントだと思いますか?

東大に受かる生徒は、常に「目的」を意識している

それは、学校や塾が終わった後です。終わった後に、すぐに帰る生徒は合格しやすくて、友達とだらだら喋ったり、ぼーっとしてすぐには帰らない生徒は不合格になる場合が多いと言うのです。

これは別に、「すぐに帰ったほうが勉強時間が確保できるから」というわけではありません。すぐに帰る生徒だって、帰ってから勉強しないでパーッと遊ぶ時間だってあります。

このエピソードからわかるのは、「メリハリがしっかりしている生徒が合格しやすい」ということです。「勉強するときは勉強する」「遊ぶときは遊ぶ」と、目的をしっかりと意識して時間を過ごしていて、メリハリがある生徒のほうが合格しやすいということなんです。

頭の良い人であればあるほど、「目的」を意識して時間を過ごしています。だらだらと無為に過ごすのではなく、「この時間は自分にとってどういう時間なのか?」「勉強のための時間なんだったら、すぐに帰ろう」「遊ぶための時間なんだったら、勉強は忘れて思いっきり遊ぼう」というように、目的があるからこそ効率的な時間の使い方ができるのです。

「目的を意識する」と、会話がより有意義になる

これは、本当に広い範囲に応用できる考え方です。

僕はよく東大生と話をして、いろんな質問をするのですが、その度によくこんなふうに質問を返されます。

「その質問の意図を教えてください」

質問の目的を理解して回答したいから、質問の意図をセットにして教えてくださいと言われるのです。

例えば「カレー好き?」って聞かれたときに、みなさんはどう答えますか? 

 

お昼時に同僚が聞いてきたら、「ああ、今のは『お昼にカレーでも食べに行かない?』って意図で聞いてるんだな」と解釈して「好きだよ」とだけ答えると思います。一方、カレー屋さんのアルバイトの面接で聞かれたのであれば、「はい、こういうカレーやこういうカレーが好きです!」と細かく回答すると思います。

質問って、相手がその質問をした「目的」がしっかりわかっているほうが、答えやすいんですよね。逆に目的がわかっていないと、見当違いな答えをしてしまうこともあります。目的を考える習慣があれば、こういうことは起こらないわけです。

東大生は、こういう「目的を考えるスキル」を常に磨いています。

会議も読書も…さまざまなことに活かせる

この考え方は、質問以外でも同じです。東大生は「自分はどうして先生からこんなことを言われているんだろう?」「相手はなんの目的があってこういう話をしてくれているんだろう?」と考えて行動しています。

また、東大生は会議の前に「この会議のゴールってなんだっけ?」と聞いてきます。どういう目的がある時間をこれから過ごそうとしているのかを理解して、そのうえで「それならこの話をしよう」「ならこの会議に関係ないからこの話はしないほうがいいな」と、自分の行動をその目的に沿って変化させているのです。

時間・質問・会話……さまざまな場面で、常に目的を考えて行動することで、自分の行動がどんどん論理的・合理的になっていくのです。

ただ本を読むのではなく「この本からこういうことが得られたらいいな」と考えて読むことで、読書の効率が上がる。ただ数学を勉強するのではなく「今日はこの公式をテストで使えるレベルにまでマスターしよう」と考えて勉強することで結果につながる――。

こうやって生きているから、「頭が良い人」になれるのです。

東大生がやっている「目的を明確にする」ためのコツ

「でも、これができる人って、もともと頭が良い人だけなんじゃない?」と考える人もいるかもしれないのですが、そうではありません。「目的を持つ」能力は、誰でも簡単に高めることができます

日常生活を送る際に、具体的な目標を意識するだけのことです。「こういうことができるといいな」という目標を設定し、その目標を意識して生活することで、目的意識を持って行動できるようになれると思います。

そのために、東大生がよくやっている工夫が2つあります。1つは「目標の中に数字を入れる」こと、もう1つは「目標を3個つくる」ことです。順を追って見ていきましょう。

目的の解像度を高める工夫1:目標の中に数字を入れる

1つ目は「数字」です。

仕事や勉強をする際に「今日はこの仕事をしよう」「この勉強をやろう」と考えている人は多いと思うのですが、その目標には数字が入っているでしょうか? 

 

東大生は数字で物事を考えます。テストでも目標点数を決めて勉強していますし、普段の生活でも「今日は数学の問題集を【30ページ】終わらせよう」「1日【100回】腹筋をやろう」と、数字で目標を決めて実践しています。数字を意識して行動することで、より行動が効率的になっていくのです。

この考え方は、仕事にも活かせると思います。「今日はこの仕事で企画書を【3つ】作成しよう」「メールを【5件】返そう」のように、目標の中に数字が入っている人とそうでない人とでは、仕事や勉強の効率が全然違ってきます

目標というのは、抽象的になりがちなものです。「なんとなく、こうしたい」と考えてしまって、結局あんまり意識せずに実践してしまい、本当にその目標が達成されたのかはわからない……なんてことも、少なくありません。

しかし、数字は目標を具体的なものにしてくれます。だから実際に行動しているときも、「今は半分くらいまでできたな!」「目標よりもちょっと高い成果が出たな!」と意識し続けることができます。

だらだら何かをするのではなく、「1時間でこれを終わらせよう」と考えれば無駄な時間を過ごすこともなくなります。まずはこうやって、数字をベースにして目標を立てて考えることがおすすめです。

目標は「松竹梅」の3段構えでつくる

目的の解像度を高める工夫2:目標を3個つくる

もう1つは、目標を3個つくることです。

「バラバラに、どんな目標でもいいから3個つくってみよう!」ということではなく、「最低でもこれはクリアしたいな」という最低ラインの目標と、「ここまでできたら最高だな」という最高ラインの目標、「現実的にはこれくらいなんだろうな」という中間ラインの目標の、「松竹梅」の目標をつくるのです。

「どんなに辛くても20ページは終わらせないとダメだ。頑張って40ページくらいは終わらせたい。でも多分30ページくらいに落ち着くだろうな」というふうに、3つの目標を立ててから実際にやってみるというわけです。

東大生は普段の生活から、この3つの目標を用意して行動しています。1つしか目標を立てないと、多くの場合、高い目標を立てすぎて失敗してしまったり、逆に達成することを重視しすぎて低い目標になってしまったりします。目標を3つ立てて、その「幅」の中のどこかには行けるようにしたいと考えれば、やるべきことがより具体的になるはずです。

これも、いろんな場面で応用できます。

例えば交渉を行うときに、「この条件は最低限確保したいな」というラインがあらかじめ決まっていれば話しやすいですよね。うまく話が進んでいるときに「一番高い目標はここだ」というのが決まっていれば、もしかしたらそこまで話ができてしまうかもしれません。「3つの目標」の考え方は、さまざまなところで役に立ってくれるはずです。

 

いかがでしょうか? 頭が良い人になるための習慣は、実はこんな、言ってしまえば「ほんのちょっとの工夫」の中にそのヒントがあると僕は考えています。みなさんもぜひ、実践してみてください