「空飛ぶクルマ」実現へ前進 有人飛行を公開―スカイドライブ

クルマが空を飛び交う未来に向け、一歩前進―。ベンチャー企業スカイドライブ(東京)は28日までに、「空飛ぶクルマ」の試作機での有人飛行試験を公開した。2023年度の実用化を目指しており、同日には日本政策投資銀行など10社から機体開発費として39億円を調達したと発表した。

 

 公開試験は25日、愛知県豊田市の試験場で実施した。1人乗りで重さ約400キロの機体は、四方に取り付けた八つの電動プロペラが回ると、ほどなく上空約2メートルまで垂直に浮上。試験場をゆっくりと旋回し、約4分間の「フライト」を披露した。福沢知浩代表取締役は「空飛ぶクルマが日常的に使える世界に近づいた」と笑顔を浮かべた。


 試作機は長さ・幅が約4メートル、高さ約2メートルで、飛行時の最高時速は40~50キロ。現在は5~10分の飛行が限界で、地上での走行はできないが、将来は地上でも時速60キロで走れるようにする。2人乗りで世界最小の機体の実用化を目指し、安全性や静粛性を高める。


 23年度には飛行距離を最長10キロに伸ばし、まずは大阪や東京の湾岸エリアで「空飛ぶタクシー」としての利用を検討。観光や救命救急用としても想定し、販売にこぎ着けたい考えだ。26年度の量産開始も視野に入れる。