お墓参りのマナー

お墓参りの手順・仕方

お墓

ここではお墓参りの手順・仕方について解説していきます。

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「終活ねっと」運営スタッフ

今回、お墓参りの仕方について以下の内容を中心にご紹介いたします。

  • お墓参りの手順
  • 宗教ごとのお墓参り
  • お墓参りのマナー

お墓参りの仕方について、関連する情報も幅広くまとめています。
時間がないという方やお急ぎの方も、知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。

ぜひ最後までお読みください。

お墓参りの手順・仕方は以下の通りです。
ここでご紹介するものは、一般的な手順です。
宗派によって決まりが異なる場合があるので一度ご自身でもご確認することをお勧めします。

  • お墓の前で合掌

  • お墓の掃除

  • 打ち水で墓石を清める

  • お供えをする

  • お線香をあげ合掌

  • 後片付け

ここからそれぞれの手順について詳しく説明します。

お墓の前で合掌

まず初めに、お墓に着いたら最初に故人に挨拶をしましょう。

お墓の掃除

挨拶を済ませたら次に、お墓の掃除をしましょう。

一般的なお墓の掃除の手順は次のとおりです。

  • 墓石の周辺の草取り、落ち葉集め

  • 花立に古いお花があれば取り除く

  • 花立や線香皿などの小物類を洗う

  • やわらかい布やスポンジで墓石を磨く

打ち水で墓石を清める

お墓の掃除が終わったら、次にお墓を清める作業に入ります。

お墓にお水をかけてご先祖様の霊を清めましょう。

しかし、墓石が傷むなどの理由から、お水をかけない方もいらっしゃいます。

どちらが正しいということではないので、ご自分の地域や宗派のやり方に沿って行ってください。

お供えをする

お墓のお清めが終わった後は、お供え物・お花をお供えしましょう。

持ってきたお供え物は、半紙や懐紙を敷いてその上にお供えします。

お花は、きれいに洗った花立に清潔なお水を入れてお供えします。
お供えするお花は仏花や故人の好きだったお花などを選ぶとよいでしょう。

お線香をあげ合掌

お供え物・お花をお供えしたら次に、お線香をあげましょう。

お線香のお供え方には、立てる場合もあれば寝かせる場合もあるので、その宗派にあわせてお供えするようにしてください。

火を消す時は息を吹きかけて消すのではなく、手で仰いで消しましょう
仏教において、口は人間の悪い行いを生み出す原因のひとつという考えがあり、汚らわしいものとされています。
そのため、息でお線香の火を消すことは無作法でよくないこととされているのです。

そして合掌を行いましょう。

故人と縁の深い人から順番に合掌をします。
数珠があれば手に数珠をかけて行ないましょう。
その際、墓石よりも姿勢が低くなるようにするのが礼儀ですので、しゃがんで行うように注意してください。

片付けをする

最後は片付けをして帰りましょう。

お供え物は持ち帰ります。
出てしまったゴミなどはゴミ袋に入れて、来たときよりもお墓をきれいな状態にして帰ることを心がけましょう。

宗教によるお墓参りの仕方の違い

お墓

今まで仏教のお墓参りの仕方をご説明してきましたが、その他の宗教ではどのようなお墓参りの仕方をするのでしょうか。

それぞれの宗教によるお墓参りの仕方の違いについて知り、ご自身と違う宗教のお墓参りに行く際には基本的なマナーを守って行えるようにしましょう。

ここでは、宗教によるお墓参りの仕方の違いについて解説します。

仏教

仏教のお墓参りの仕方は、さきほどご説明したような流れで行います。

故人の命日や月命日、お盆、お彼岸そして年末年始など、区切りとなる時期に定期的にお墓参りをします。
お墓参りをすることで、先祖供養をし、改めてご先祖様に感謝したり、今ある命の大切さを実感したりするのです。
そういったことから、日本の仏教においてお墓参りはとても重要な位置づけにあるといえます。

神道

神道のお墓参りの仕方は次の通りです。

  • お墓を清める

  • ロウソクに火をつけ、榊をお供えをする

  • お供え物をお供えする

  • 二礼二拍手一礼する

神道も、仏教と同じようにはじめにお墓をきれいに掃除します。

神道でのお供え物についてご紹介します。
神道では「玉串」「神饌」をお供えします。

玉串とは、榊の枝へ紙垂を麻で貼り付けたものです。
玉串をお供えすることは、仏教の焼香にあたるとされています。

神道では故人は神様になると考えられているため、「神饌」をお供えします。
「神饌」とは神様にお供えする飲食物で、水、洗米、塩、お神酒などのことをいいます。
お供え物はこの「神饌」が中心ですが、仏教のように故人が好きだったものもお供えして問題ありません

また、礼拝の作法は、私たちが神社に行った際に行う「二礼、二拍手、一礼」です。

キリスト教

キリスト教のお墓参りの仕方は次の通りです。

  • お墓の掃除をする

  • 小ぶりの白いお花をお供えする

  • 胸で両手を合わせて礼拝する

お墓参りの仕方は仏教のお墓参りと大きく違いはありません。
カーネーションや小菊などの小ぶりな白い花や、故人が好きだった花を供えるのが一般的です。
お花以外のお線香やお供え物をお供えする習慣はありません。

また、キリスト教では、決まった期間にお墓参りに行くという習慣はありません。
服装は黒が基本ですが、地味なものであればよいとされています。

お墓参りの基本的なマナー

お墓

次に、お墓参りの基本的なマナーについてご紹介いたします。

お墓参りの基本的なマナーにはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、お墓参りの時期・時間帯・持ち物・服装などを中心にご紹介いたします。

お墓参りの時期

ここではまず、お墓参りの時期について解説していきます。

お墓参りには適切な時期はあるのでしょうか。

お盆

まず最初に挙げられるのがお盆です。

お盆は、ご先祖様が年に一度帰ってくるといわれている大切な仏事なので、お墓参りに行かれる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

お盆の時期は地域によって異なりますが、7月もしくは8月の13日~16日までの4日間です。
一般的なお盆のスケジュールは

  • 13日…迎え火を焚いてご先祖様の霊をお迎えするためにお墓参りをする

  • 14日か15日…家族そろってお墓参りをする

  • 16日…来年もまた来てくださいという気持ちを込めて送り火を焚いてご先祖様の霊をお見送りするためにお墓参りをする

以上のようになります。
宗派や地域によっては、13日のお迎えと16日のお見送りの2回だけお墓参りをするところもあります。

また、最近ではお墓が遠方にあったり仕事の休みが取れなかったりして、お墓参りに行けないということから、迎え火や送り火などはせずに13日~16日のどこか1日だけお墓参りに出かけるという方も多くいらっしゃいます。

お彼岸

次に、お墓参りに行く時期として挙げられるのがお彼岸です。

お彼岸は春のお彼岸と秋のお彼岸があります。

  • 春のお彼岸…春分の日を中日として前後3日を合わせた7日間

  • 秋のお彼岸…秋分の日を中日として前後3日を合わせた7日間

春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈んでいくため、生死の迷いを脱した悟りの境地である彼岸に通じやすい日と考えられるようになり、お彼岸にご先祖様の供養をするようになったといわれています。

年末年始

最後にお墓参りの時期として挙げられるのが年末年始です。

遠方に住んでいて年末年始の帰省のタイミングでしかお墓参りができないという方は、お墓参りの際にお墓の掃除を丁寧にされてみてはいかがでしょうか。

1年間の出来事をご先祖様に報告されるのも良いですね。
また、新年にお墓参りに行かれる場合は、無事に新しい年を迎えられたことをご先祖様に感謝する気持ちでお墓参りに行きましょう。

ここまでお墓参りの時期についてみてきましたが、実はお墓参りの時期について特別な決まりはありません。
ここで紹介した時期以外にもお墓参りすることは可能です。
何か節目の報告があるときなど、自由にお墓参りをするのが良いでしょう。

お墓参りの時間帯

ここまでは、お墓参りの時期について紹介してきました。

次に、お墓参りの時間帯についてみていきます。

 

お墓参りにはどの時間帯に行けばよいのでしょうか。

 

一般的には午前中または日中に行くのがよいとされています。

それには複数の理由があります。

 

まず、掃除がしやすい時間であることです。

夕方や夜の暗い時間に行くよりも朝や日中の明るい時間に行った方が掃除がしやすいですね。

朝早く行けば人も少ないので、埃がまったりしても迷惑がかかりません。

 

次に、古くからの教えで「お墓参りは午前中に行くものだ」という教えがあります。

それは、お墓参りは何かのついでや、かけつけではなく、前々からきちんと計画をたてて行うものであるという考えによるものです。

 

ただし、仕事の都合や住んでいる場所の関係で夕方や夜になってしまう方もいらっしゃると思います。

午前中や日中に行くのが良いとされてはいますが、午後でも問題ありません。

大切なのはご先祖様を思う気持ちです。

 

お墓参りに持って行くべき持ち物

次に、お墓参りに持っていくべき持ち物についてみていきます。

 

お墓参りに持っていくべき持ち物はどのようなものがあるのでしょうか。

 

お墓参りのときに必要になる持ち物は次のとおりです。

 

お線香

お花

お供え物

数珠

ろうそく

マッチ/ライター

ほうき

スポンジ

雑巾

バケツや柄杓は霊園によって貸してもらえることもあるので確認してみてください。

 

お供えするものは、故人の好きだったものや季節のものを持っていきましょう。

忘れ物がないように事前にきちんと用意をしてお墓参りに出かけましょう。

 

お墓参りの時の服装

お墓参りの時の服装についてご紹介します。

一般的には、次のような恰好がお墓参りの時に適した服装です。

 

動きやすい服装

露出の少ない清楚な恰好

派手な色は避け地味な色のもの

香水は避ける

あまり頻繁にお墓参りに行けないひとは特に、掃除のしやすい動きやすい服装が適しています。

 

掃除をする際に汚れてもいいような服と靴を選びましょう。

また、霊園管理者や外のお参りの方などに不快な印象を与えることがないように露出の少ない清楚で地味な色の恰好を心がけましょう。

 

同じ理由できつい香水は避け、失礼のないように身なりを整えて行くと良いでしょう。

 

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お墓参りの際の服装について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

お墓参りの注意点

お墓

ここまでお墓参りの基本的なマナーについてみてきました。
お墓参りの注意点には他にどのようなものがあるのでしょうか。

お墓参りの注意点の一つにお酒についてがあります。

故人が好きだったということから、お酒をお供えする方も多いかと思います。

中にはお酒をお墓にかける方もいらっしゃいますが、お墓が変色してしまう可能性があるのでお墓にお酒をかけるのはやめましょう

また、お供え物は、放置しておくと鳥や虫などが食べ散らかしてお墓を汚してしまいます。
衛生的にも良くありませんので、持ち帰るようにしましょう。

お墓参りの仕方についてまとめ

お墓

今回「終活ねっと」では、お墓参りの仕方についてご説明してきましたがいかがでしたでしょうか。

この記事の内容をまとめると以下になります。

  • 合掌をするときは故人と縁の深い人から順にしゃがんで行う

  • お供え物は衛生的にもよくないのですべて持って帰る

  • お墓参りに来たときよりもきれいに片づけをして帰る

  • 神道は二礼、二拍手、一礼で礼拝する

  • キリスト教はお線香やお供え物をする習慣はなく、白い小ぶりのお花をお供えする

  • お墓参りは午前中や日中に行くのがよいとされているが霊園等の規則がなければ夕方や夜に行ってもよい

  • お墓参りは動きやすく地味な服装で身だしなみを整えて行く

 

お墓参りのマナーは色々なものがあり、お墓参りをする時期も一般的な決まりがあるということがお分かりいただけたと思います。

しかし、一番大切なのはマナーや決まりではなく、ご先祖様や故人を思う気持ちです。

お墓参りに行くのに、行ってはいけない日はありません。
ご自身が行きたいと思った時や、報告したいことがある時に是非お墓参りに出かけられてみてはいかがでしょうか。

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そちらも併せてご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。