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ガス管、水で腐食か 被害広範、住民不安―店舗爆発、6日で発生1週間・福島

福島県郡山市で改装工事中の飲食店が爆発し、20人が死傷した事故で、流し台下の腐食していたガス管が湿気に弱いとされる「SGP白鋼管」という材質だったことが5日、関係者への取材で分かった。事故の発生から6日で1週間。県警は、配管が継続的にぬれたことで腐食が進み、漏れたガスに引火した可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑で調べている。

 

 事故は7月30日午前9時ごろ、「しゃぶしゃぶ温野菜 郡山新さくら通り店」で発生。内装業者の古川寛さん(50)が死亡し、19人が重軽傷を負った。事故後、ガスの配管に腐食が見つかった。関係者によると、通称「白管(しろかん)」と呼ばれ、プラスチック製などと比べ湿気に弱いという。


 捜査関係者などによると、現場検証に立ち会った店長が「営業中、調理場に水や洗剤をまいて掃除していた」と話しており、流し台下の床面をはう状態で設置されていたガス管が継続的にぬれていたとみられる。
 店の運営会社は5日、取材に対し「ガスの管理は業者に全て任せていた」と答えた。業者は、6月末の検針で異常は見つからなかったとしている。


 消防によると、爆発で窓ガラスが壊れるなど少なくとも現場周辺の184棟に被害が出た。近くにビルを構える情報通信会社「ニノテック」は、ガラスが割れ通常営業ができない状態。事故後に飲食店の親会社コロワイド(横浜市)の担当者が謝罪に訪れたが、補償の話は出なかったという。


 現場近くのマンション4階に住む佐藤智弘さん(49)は、爆風で窓ガラスやテレビの画面が割れ、窓にブルーシートを張って生活。妻や子供は実家に避難した。佐藤さんは「誰が補償するのか分かっていないところが一番不安だ」と話した。


 郡山市は、罹災(りさい)証明を受けた被害者に、住居が半壊した場合に5万円、全壊で10万円の見舞金を支給することを決めた。