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コロナ下でのレジャー「比較的安全」の見極め方

映画館、劇場、美術館、水族館など、屋内のレジャー施設でも、基本は「手洗い、もしくはアルコール消毒」「マスク」「ソーシャル・ディスタンス」です。

マスクは、飛沫感染を防ぐために必須です。さらに、ドアや手すりなどの共有物に触れる機会が多いので、接触感染を防ぐために、トイレに行ったときだけでなく、マメに手を洗うか、アルコール消毒するようにしてください。

同じ「屋内のレジャー施設」でも、映画館や劇場などとは別物と考えたほうがいいのは、ライブハウスとカラオケボックスです。

これらは、基本的に密閉空間であるうえに、多くの人が集まり、近距離で会話したり発声したりする。つまり「3密」になりやすく、飛沫感染のリスクが高い場所です。カラオケは、マイクに飛沫が飛んでいますので、グループ内でマイクを使い回したり、大きな声を出すことを考えると、感染の危険性は高いといえます。

銭湯やジム、プールは?

では、銭湯やジム、プールはどうでしょうか。

実は、例外的にエボラウイルスは汗に含まれるのですが、その他の大半の細菌、ウイルスは「汗」には含まれないことがわかっています。新型コロナウイルスも、汗からは検出されていません。

つまり、汗からの感染はないと考えていいということです。院内感染対策の面でも、汗は「感染性のある体液」とはみなしません。

となると、気をつけるべきは、会話、せき、くしゃみからの飛沫感染と、共有物に触れることによる接触感染です。新型コロナウイルスでは、ジムで感染クラスターが発生してしまいましたが、これも共有物を介した接触感染が一因です。

飛沫感染を避けるために混雑時の利用は避ける、接触感染を避けるためにマメに手洗い、もしくはアルコール消毒を行う、という基本的な対策を徹底すれば、感染リスクはかなり下げられます。

プールや銭湯に至っては、もともと衛生管理のために次亜塩素酸ナトリウムという消毒薬が使用されており、多少細菌やウイルスが水の中に入ってしまっても、問題ないように管理されています。そもそも大量の水の中に、ほんの少量の飛沫が混ざってしまっても、それが他者への感染を成立させる可能性は極めて低いと思われます。

更衣室で着替えるとき、知人と出くわして言葉を交わすとき、共有物に触れたときに、基本の対策(手洗い、もしくはアルコール消毒、そしてマスク)を怠らなければ、まったく問題ありません。露天風呂なども、混雑していなければ、問題はないでしょう。

また、銭湯やジムでサウナを利用するという方も多いと思います。多くの細菌、ウイルスは高温多湿に弱いため、サウナも問題なさそうですが、反面、サウナは密閉空間です。念のため、他者の飛沫を浴びる可能性がある混雑時(約2メートルの距離をとれないとき)は、避けたほうがいいでしょう。

スポーツなどアウトドアのレジャーは?

屋外のレジャーには、そこまで目くじらを立てる必要はありません。広い空の下で「密閉」はありえないので、「密集」「密接」に気をつければ、飛沫感染のリスクは、かなり低く抑えられるでしょう。

それには、「大人数で集まらない(4〜5人にとどめる)」「真正面から向かい合わない、もしくは十分に距離をとる(約2メートル)」「箸などを共有しない」「同じ食器からものを食べない、飲まない」などの対策が考えられます。

もちろん、情勢に応じて判断しなければいけませんが、政府からの注意勧告や自粛要請が出ていなければ、バーベキュー、ピクニック、海水浴、キャンプ、あるいは単に「公園で遊ぶ」なども問題ないでしょう。

バーベキューでは、食べ物・飲み物は個々で持参し自分のものを食べる、食器は自分のものを使って自分で洗うことで、感染を防ぐことができます。

問題になるとすれば、屋外のレジャーに「出かける道中」や「出かけた先」が異常に混み合っている場合です。

これまで地方の観光地が、都市部からの客でごった返し、地元の人が迷惑しているといったニュースが報じられてきました。屋外とはいえ、「密集」「密接」の中で飛沫が飛び交えば、それだけ感染リスクは高くなります。

出かけてはいけないわけではありませんが、「どこに出かけるか」は、現地の状況なども踏まえて、場所・時間帯なども含め、よくよく検討して決めたほうがいいでしょう。

屋外のレジャーで接触感染のリスクを下げるには、やはり「マメな手洗い、もしくはアルコール消毒」を徹底する、これに尽きます。

例えば、公園の遊具は不特定多数が触れる共有物です。最も無難なのは「遊具では遊ばないこと」ですが、お子さんが「遊びたい」と言って聞かないこともあるでしょう。例えば、昔ながらの「かげふみ」「かくれんぼ」のような遊びを提案してみてはどうでしょうか。

別のお子さんの家に行って遊びたいというときも少人数にしましょう。お母さん方のおしゃべりも飛沫感染の原因になりますので、できるだけ距離を離して、マスクを装着するのがよいでしょう。

屋外のレジャーでは、おむすびやサンドイッチなど、手づかみで食べるお弁当を持参することも多いでしょうから、とくに注意を怠らず、「マメな手洗い、もしくはアルコール消毒」を実践することが重要です。

ボールに直に触れたり接触するスポーツはリスクが高い

屋外のレジャーとして、スポーツを楽しみたい方も多いと思います。

基本的に問題はないのですが、バレーボールやドッジボールのように直にボールに触れるスポーツや、サッカーやラグビー、柔道のような体当たりで激しく競り合うスポーツには少し注意が必要です。

屋内レジャー施設の項目でも触れたように、汗からの飛沫感染を心配する必要はありません。しかし、ボールに触れた手で顔の汗を拭ったり、体当たりで激しく競り合ったりすることで、接触感染、飛沫感染が起こる可能性はあります。

そう考えると、感染症が流行している間は、ボールに直に触れるスポーツ、体当たりや近距離で激しく競り合うスポーツは、なるべく避けるというのが得策でしょう。

例えば、マラソンやジョギング、サイクリングや1人での縄跳びなどは、密集した場所でなければ問題ありません。野球も個人の道具を使えば感染の可能性は少ないといえますが、リトルリーグなどチームで道具を使いまわしたり、ベンチでの大声での応援は、避けたほうがよいでしょう。