フワちゃん「若者から超支持される」魅力の正体 大雑把なように見えて実は芯の強い一面も

【来歴】

東京都八王子市出身。

身長161cm。

弟が2人居る。

 

自身の性格についてフワちゃん自ら「マジで真っ当な人気者タイプで、超明るかった」と話している。小学2年生から小学4年生までアメリカ、ロサンゼルスに住んでいた帰国子女。

 

中学校ではバスケットボール部、高校でも最初はバスケ部に入っていたが、自分の足が速いことに気付いてすぐに陸上部に転部、高校生時代は東京都の大会で800m走で出場し3位の好成績を残している。

 

子供の頃から新しいゲームや企画を考えたりすることが得意で、バレーボールと靴を飛ばす遊びとを掛け合わせた「靴飛ばしバレーボールゲーム」などを考え出していたという。

 

東洋大学文学部中国哲学文学科卒業(4年生の時に1年留年し、5年かかって卒業)。

 

大学2年生在学中にワタナベコメディスクール18期生として入学。同期は土佐兄弟、まちゅなどがいる。芸人を始めたきっかけは、学生時代にギャルの友人から芸人になることを勧められたことである。

 

吉本興業の養成所のNSCは一括で払う入学費が高過ぎて無理と思い、ローンが組めるワタナベコメディスクールを選んだという。

スクールの女性の同期生と「ランボランチ」を結成する。本人は、この時はモエヤンみたいなネタをやっていたと話している[9]。また、本人曰くこの当時養成所内での成績は良かったとのこと。

 

ランボランチは相方の引退により、同スクール在学中の2014年1月26日の選抜ライブを以って解散。同年、スクールの同期生芝山大輔(元D・N・A)とのコンビ「SF世紀宇宙の子」を結成。同スクールを2014年3月に卒業後、ワタナベエンターテインメントに所属。当時は「相方(芝山)の作るネタを上手に出来なかった」と話している。

 

2017年9月30日限りでSF世紀宇宙の子が解散。

 

コンビの解散と事務所の重役に悪態をついた(本人に見えないように後ろ姿に向かって中指を立てていたら、その姿がガラスに映ったことでバレた)ことにより、事務所を解雇され、 以降はフリーの芸人として活動。元相方の長谷川や芝山とは今でも相談など連絡を取っており、「最高の友達になっちゃったって感じ」と話している。

 

解散後1年ほどはネタを披露する活動もしており、「R-1ぐらんぷり」や「女芸人No.1決定戦 THE W」にも出場していた。ただし、「元々、ネタが得意でなかった」とも話している。

2020年になって、さらば青春の光の森田哲矢から自分たちの事務所のザ・森東への入所を「ギャラの割合は10:0(つまりギャラの取り分は全てフワちゃん)」の条件を出してまで打診されたが、その話を断ったということがあった。

「フワちゃん」に若者たちは憧れている

そんなフワちゃんの勢いはその後もとどまるところを知らない。毎日のようにテレビに出続ける一方で、雑誌では特集が組まれ、『まいにち、フワちゃん』(KADOKAWA)という日めくりカレンダーまで発売された。もはやYouTuberや芸人という枠組みを超えて、そのライフスタイルやポジティブ思考そのものが若者たちの憧れの対象になっている。

私が彼女の存在を認識したのは今から4年前。変わり者の芸人ばかりが集まるというコンセプトのお笑いライブを見に行ったときのことだ。どの芸人もそれぞれ一癖ある芸風だったのだが、その中で特に印象的だった男女コンビがいた。

ネタの内容はよく覚えていないのだが、野性的な雰囲気のギャルっぽい見た目の女性が「乳首、痛えよ!」というフレーズをひたすら何度も連呼していた。大人の女性が大声で叫ぶ「乳首」という単語が、不思議と下品に聞こえなかった。単純にバカバカしいな、と思えた。多くの芸人がライブに出ていた中で、彼女1人だけがギャグ漫画の世界から抜け出てきたような異様なオーラを身にまとっていた。

現場ではそのネタはそこまでウケていなかったのだが、一緒にこのライブを見ていた業界関係者も「あのコンビは売れるかもしれない」と言っていた。私もその衝撃をTwitterで書き残したところ、その女性本人から「なんかよくわかんないけど、アタシめっちゃ褒められてんじゃね?」というような内容のコメント(引用リツイート)が来た。彼女のタイムラインを覗いてみたところ、どの書き込みも期待を裏切らない軽薄さに満ちていた。

その女性芸人こそが後のフワちゃんである。彼女はかつて芝山大補という芸人と「SF世紀宇宙の子」というコンビを組んでいた。だが、フワちゃん自身の話によると、彼女には芝山の作るネタを的確に演じるための表現力が不足していたのだという。そのせいでコンビとしての活動は行き詰まり、解散することになった。

YouTubeで才能発揮

ピン芸人になったフワちゃんはYouTubeという新しい表現手段を見つけて、そこに徐々にのめり込んでいった。もともとInstagramでも自ら加工した「笑えるバカバカしい画像」をアップし続けていた彼女は、映像編集にも同じような楽しみを見出した。

明るさ、勢い、行動力、ファッションや映像のセンスなど、YouTubeの世界ではフワちゃんという人間の本来持っている強みが存分に生かされた。フォロワー数はどんどん増えていき、いつのまにか人気YouTuberの仲間入りを果たしていた。

YouTubeと並んで、フワちゃんが覚醒するもう1つのきっかけになったと思われるのが、新しい髪型と衣装に出会ったことだ。現在のフワちゃんのトレードマークと言えば、お団子ヘアと派手な色のスポーツブラである。

初めてそのスタイルを試したのが、インターネットテレビの企画で台湾に行ったときだった。ロケのために目立つ格好をしようとして、髪型と衣装を変えてカメラの前に現れた。そこで初めて今の見た目になったのだ。性格などは特に変わっていないのだが、見た目と中身が一致したことで、キャラクターが伝わりやすくなった。

テレビは瞬間芸の世界だ。パッと見たときの印象だけで興味を持ってもらえないと、タレントとして生き残っていくのは難しい。中身に合った外見をしっかり固めたことが、今の大ブレークにつながったのだろう。

フワちゃんという人間の最大の強みは、「YouTuber」と「芸人」の要素をバランスよく兼ね備えているところだ。人気YouTuberがテレビに出ているときに意外と地味でおとなしかったり、テレビタレントがYouTubeでは妙に空回りしていたり、といった光景を見たことがある人は多いだろう。テレビとYouTubeというのは似て非なるものであり、初めから両方にきちんと適応できる人は少ない。

でも、フワちゃんにはそれができている。もともとただの明るい目立ちたがり屋だった彼女は、初めから両方の適性を備えていた。コンビ時代には芸人としての自分の才能を生かし切れず、くすぶっていた。だが、YouTubeという表現手段を得たことで自分の面白さをストレートに出せるようになり、一気にその才能が開花した。

「意外と芸人っぽい」一面も

取材などでフワちゃんと直接話したり、インタビュー記事を読んだりすると「意外と芸人っぽいな」と感じることがある。一見するといい加減な感じがするが、実は芸人としての美意識やこだわりも一人前に備えていたりするのだ。大雑把なようで芯のところは意外としっかりしている。でも、そのプライドを人前で振りかざすようなことはしない。その辺もテレビで重宝される理由だろう。

フワちゃんはYouTuberと芸人のハイブリッドという新しいキャラクターを確立させて、令和のニューヒロインとなった。世の中が暗く沈んでいる今だからこそ、フワちゃんにはどこまでも明るく輝いていてほしいものだ。