2020年度補正予算が30日成立

新型コロナウイルスの緊急経済対策を盛り込んだ2020年度補正予算が30日、成立した。感染拡大の影響で売り上げが大きく減少した中小企業や個人事業主らへの現金給付など各種支援策の申請手続きが本格化する。国民への現金10万円の給付については5月中の支給開始を目指す。


 収入が半分以上減った企業を対象にした「持続化給付金」(中小・中堅は最大200万円、個人事業主は同100万円)は、売り上げ台帳などの書類を提出した上で、申請から2週間程度で口座に入金される。従業員への休業手当のために企業へ助成する雇用調整助成金は大幅に拡充される。


 政府は、4月27日時点の住民基本台帳に基づいて10万円を給付する。市区町村が申請手続きを行い、外国人も対象。申請受理後、金融機関の口座に振り込まれ、早ければ5月中旬に受け取れる。


 家計支援では、中学生以下の子どもがいる世帯への児童手当の6月支給分について1人当たり1万円上乗せする。病院に行かずインターネット上で診察を受けるオンライン診療の要件も緩和し、初診からの受診を可能にした。
 国から地方自治体には臨時交付金として計1兆円が配分され、自治体は休業要請に応じた企業への協力金に活用することができる。


 各種支援をめぐっては、手続きの煩雑さや迅速性などで課題が指摘される。書面提出や押印が求められ、申請書類も多い。厚生労働省は、雇用調整助成金について申請から支給までの期間を従来の2カ月から2週間へ短縮することを目指す。手続きに必要な書類を簡素化し、オンライン申請も可能にするよう準備を進めているが、具体策は整っていない。