スタンダードプリコーション(標準予防策)
【スタンダードプリコーション】とは?
1996年にアメリカ疾病管理予防センター(CDC)が発行した、隔離予防策ガイドラインにより提唱された「感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する疾病非特異的な予防策」のことを言います。
院内における感染予防対策は2つあります。
1つ目は、スクリーニング検査をして感染症が明らかとなった患者への対応があります。
ことらを【ユニバ―サルプリコーション】と言います。
2つ目は、【スタンダードプリコーション】。スクリーニング検査により、明らかとなる感染症の有無に関わらず、未知の感染症に対しても予防策を講じる考え方があります。
すなわち、全ての患者の血液・汗を除く体液(唾液・腹水・胸水などすべての体液)・分泌物・排泄物・傷のある皮膚・粘膜などをすべて感染源とみなし、予防策を講じることです。
感染の連鎖を断ち切る
看護婦の立場から、感染予防策を考えるときには、感染が起こる要素として
①病原体
②病原体を保有する宿主
③病原体の出口(元の宿主)
④感受性を持つ宿主
⑤病原体の入口(新たな宿主)
⑥感染経路
の6つの要素の連鎖を考えると、業務上どうすれば良いのかが分かりやすくなると思います。
具体策
1.1患者、一処理ごとの手洗いの励行
現在明らかな感染症がない場合でも、未知の感染症対策として他の患者への感染経路を断つ意味で有効であり、同じ患者でも他の部位への交差感染を予防するためには必要です。
2.患者の体液のい触れる可能性がある場合は、手袋・マスク・ゴーグル・必要に応じてフェイスシールドや防水ガウンなどを着用
患者から、医療関係者への感染経路を断つ効果があります。目の涙腺から感染で劇症肝炎を起こすという事故もあるくらい、医療者側のほんの小さな入口からも感染は起こり得えます。
3.鋭利な器材などを適切に取り扱う
リキャップの禁止
4.使用したリネンや器材を適切に処理する
リネンや使用器材の適材な廃棄や消毒・滅菌のこと。
患者の血液や体液・排泄物などで汚染されたリネンが、自分の皮膚や衣類、あるいは他の患者に付着することで感染するのを防ぐための具体策です。
5.環境の整備
病室・洗面所・トイレ・浴室の清掃だけでなく、整頓すること。
また、床は汚染環境とし捉え、清潔な物品等は床から20cm以上の高い場所へ置く、床や壁に触れた手で患者の処置を行わないなど
6.必要な場合は患者の隔離
最終的には、隔離処置しかありません。
コメントをお書きください